紅麹関連製品を自主回収~摂取者で腎疾患報告 小林製薬
小林製薬は22日、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」の摂取者で腎疾患等が発生したとの報告があったとして、紅麹関連3製品を自主回収すると発表した。原因や因果関係は不明だが、同品が原因の可能性は否定できないとして、直ちに摂取を中止するよう呼びかけている。
小林製薬は22日、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」の摂取者で腎疾患等が発生したとの報告があったとして、紅麹関連3製品を自主回収すると発表した。原因や因果関係は不明だが、同品が原因の可能性は否定できないとして、直ちに摂取を中止するよう呼びかけている。
自主回収するのは、▽紅麹コレステヘルプ▽ナイシヘルプ+コレステロール▽ナットウキナーゼさらさら粒GOLD――の3製品。ドラッグストア等の店舗や同社の通信販売サイトで販売している。紅麹コレステヘルプを除く2製品は、テスト的に少数を販売したもの。
1月以降、紅麹コレステヘルプ摂取者でむくみや尿が出にくいなどの訴えがあり、調べると腎機能低下が認められた等の報告が医師や摂取者本人から相次いだ。現在報告数は40~70代の男女計13人で、入院者数は6人、通院者数は7人。多くは軽症で済んだ模様だが、一時的に透析が必要になった症例もあった。5人は退院したが、1人はまだ入院している。入院者の多くは長期摂取者だが、摂取後短期間で症状を発現した症例もあった。
報告を受けて同社が紅麹原料の成分を分析した結果、一部の原料に想定していない未知の成分が含まれている可能性が判明。調べると製品の約2割にこの成分が含まれていた。
未知の成分の構造式の骨格は、カビの産生成分に似ているという。可能性の一つとして同社は、製造工程でカビが混入し、その産生成分が原因になったのではないかと疑っているが、成分は特定できていない。腎疾患発生との関連性も不明だが、健康被害の拡大を防ぐ予防的措置として自主回収を決めた。健康相談受付センターで摂取者の相談に応じる。
症例を同社に報告した医師は、有害性のあるシトリニンの関与を指摘した。一部の紅麹菌はシトリニンを作るが、同社はシトリニンを作らない菌株を選定して製造に用いている。紅麹原料全ロットの分析を実施した結果、シトリニンは検出されなかった。
同日、大阪市内で開いた記者会見で、小林章浩社長(写真左から2人目)は「健康を害されているお客様に深くお詫びしたい。使用しているお客様については直ちに使用を中止してほしい」と呼びかけた。
ヘルスケア事業部食品カテゴリー長の梶田恵介氏は「今後、未知の成分を特定し、その成分が腎疾患を引き起こすのかを検証したい。その成分が混入した経路も解明したい」と語った。
紅麹コレステヘルプは、紅麹が産生する米紅麹ポリケチドを機能性関与成分としたLDLコレステロールを下げる機能性表示食品。2021年2月に発売し、今年2月末までに累計110万袋を販売している。
入院例26件に
同社は25日、新たに22日以降20件の入院症例を把握したと発表し、24日付時点で把握している腎疾患等の入院症例数は合計26件に達することを明らかにした。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」の摂取者から腎疾患等が発生したとの報告があったとして、小林製薬は紅麹関連3製品の自主回収を発表。原因や因果関係は不明ながら、同品が原因の可能性は否定できないとし、摂取を直ちに中止するよう呼びかけています。