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【日本漢方連盟が要望】零売規制、漢方に配慮を~漢方薬局の存続に危機感

薬+読 編集部からのコメント

日本漢方連盟は、法制化に向けて医薬品販売制度の見直しが進められている中、零売が規制強化の方向にあることについて、「漢方製剤については、医療用だから薬局での販売は原則不可とするのではなく、漢方で健康を維持している患者が困ることのないよう、また漢方薬局の処方選択に支障が出ないような対応を求める」旨の要望書を、厚労省の濱地副大臣に提出しました。

漢方薬の健全な普及を目指す漢方薬局・薬店等で構成する日本漢方連盟(根本幸夫理事長)は22日、厚生労働省の濱地雅一副大臣を訪れ、現在法制化に向けて医薬品販売制度の見直しが進められている中で、零売が規制強化の方向にあることについて、「漢方製剤については、医療用だから薬局での販売は原則不可とするのではなく、漢方で健康を維持している患者が困ることのないよう、また漢方薬局の処方選択に支障が出ないような対応を求める」旨の要望書を提出した。

医療用漢方製剤の処方は、かつては一般用としても入手できていたが、近年は一般用から消える漢方処方が増え、現在は医療用でしか手に入らない処方は18処方に過ぎない。「例えば扁桃炎・咽痛や新型コロナに用いる小柴胡湯加桔梗石膏、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に用いる治頭瘡一方や白虎加人参湯、咳・喘息やむくみに用いる木防已湯など、いずれもそれを頼りにする患者にとって欠くことのできない処方」(同連盟)という。

 

一方、近年は漢方薬メーカーでも不採算品目を中心に一般用漢方製剤の販売終了が続いており、今後さらに進むことが予想されている。厚労省からは、一般用漢方製剤を拡充するよう要請が出ているものの、主に中小の漢方薬メーカーとしては新製品等も出す余力がない現状となっている。

 

漢方薬局としては、薬局製剤として認められる範囲が一般用漢方製剤として認められる範囲と一部合致しておらず、一般用の製剤が販売終了すると対応できなくなる処方もある。

 

昨年末の医薬品販売制度に関する検討会の取りまとめを受け、零売規制がこのまま施行されれば「漢方薬局が守り続けてきた伝統ある漢方という治療手段そのものが失われてしまう可能性すらあり、また漢方薬局の存続自体が危うくなる」として、日本漢方交流会との連名による「医療用漢方製剤の販売に関する要望書」を厚労副大臣に提出した。

 

要望書では、まず一般用漢方製剤の拡充について、「厚労省からメーカーに継続的に要請すること」を挙げると共に、「一般用漢方製剤として認められる処方と薬局製剤の範囲の不整合を可能な限り解消し、薬局製剤での対応を可能にすること」「これらについてなお対応が困難な場合は、患者の要望を考慮した上で、医療用漢方製剤での代用を可能とすること」を挙げた。

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出典:薬事日報

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