【医薬局25年度概算要求】一般薬遠隔管理を検討へ~薬局機能の高度化推進も
厚生労働省医薬局の2025年度概算要求は、前年度比20.2%増の112億0400万円となった。薬剤師・登録販売者による一般用医薬品の遠隔管理・販売に向けた課題整理に新規で1200万円を計上。さらに離島・僻地における円滑な薬剤提供に向けた調査等も実施する。
薬局・薬剤師関連では、薬局機能の高度化推進に6500万円を充てる。薬局機能や薬剤師サービスの高度化を図るため、薬局を起点とする医療情報の連携、地域において求められる薬局の機能強化、対物業務の効率化に向けた鑑査支援装置の活用等について調査・検討を行う。
新規で一般用医薬品の販売における遠隔管理の検討に1200万円を計上し、薬剤師・登録販売者が遠隔で医薬品を管理・販売する場合の課題を整理して、店舗等の要件、自治体の許可・監視業務等のあり方について調査・検討を行う。
また、新規で1000万円を計上し、「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」の議論を踏まえ、離島・僻地を含めた地域における円滑な薬剤提供を推進するための実効性ある取り組みに必要な調査・検討を行う。
医療DX関連では、電子処方箋の全国的な普及拡大に向け、医療機関が電子処方箋管理サービスに院内処方情報を登録・閲覧する際の課題を検証してシステムを改善するほか、周知広報のため、新たに2億0100万円を充てる。
医薬品等の品質確保・安全対策推進には14億3100万円を計上した。このうち、後発品の品質確保に向けたGMP調査体制の整備に2億3100万円を充て、全国のGMP調査で判明した不備事項の収集・分析、製造管理・品質管理上リスクの高い製造所の抽出作業等に関して、複雑かつ迅速な分析等を可能とするシステムを構築する。
加えて、製造業者など全関係者を対象としたGMPに関する講習会の開催回数を拡充するほか、医療情報データベース(MID-NET)で薬剤ごとに小児、高齢者、肝・腎機能障害患者等における投薬状況や頻出する副作用症状等を自動抽出・解析する機能を追加するため、2億4100万円を新規計上した。
薬物乱用防止対策には7億0700万円を充て、再乱用防止に向けた支援、危険ドラッグ対策、正しい知識の普及啓発等を行う。
ドラッグラグ・ロス対策として、小児用・希少疾病用医薬品等の開発支援、革新的シーズ開発など革新的医薬品等の迅速な審査・実用化推進にも注力する
一方、25年度の法人税や所得税等の税制改正要望事項では、「医薬品・医療機器等の規制に関する制度見直しに伴う税制上の所要の措置」を記載。現在、厚生科学審議会部会で医薬品医療機器等法の見直しに向け議論が行われているが、部会の議論によっては税制改正が必要となる見直し事項が生じる可能性があるとした。研究開発税制に関する要望事項の記載もなかった。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
厚労省医薬局の2025年度概算要求が、前年度比20.2%増の112億400万円となりました。薬剤師・登録販売者による一般用医薬品の遠隔管理・販売に向けた課題整理に新規で1200万円が計上され、離島・僻地における円滑な薬剤提供に向けた調査等も実施されます。