「調査研究、まだやるのか」~緊急避妊薬で苛立ちの声 厚労省検討会議
医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議は7日、緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けた進捗を報告した。市民団体から緊急避妊薬のOTC化に向け早期の環境整備を求める声が上がる中、薬剤師の構成員は「まだ調査研究をやるのか」と述べ、1年半にわたって調査事業を実施しているにも関わらず未だ結論を出せていない状況に苛立ちを見せた。
緊急避妊薬の試験販売は、2023年度から実施している。第2回となる今年度は、新たな研究計画で昨年2月から今年1月の販売分を解析対象に事業を実施しており、厚生労働省は「5月の大型連休前後に報告書を公表する予定」と説明した。今月から事業終了販売分までは25年度事業の解析対象としている。
長期にわたり緊急避妊薬の試験販売の調査事業が実施されている状況に、構成員からは疑問の声が相次いだ。富永孝治構成員(日本薬剤師会常務理事)は、「薬剤師会は各都道府県の薬局に手挙げしてもらい、一生懸命研究事業に取り組んでいる。妊娠していることが分かったら地域の産婦人科を受診するように伝えている」と述べ、販売体制を十分に整備していると説明。
「研究事業を一生懸命やれというのであれば一生懸命やるが、これだけやってまだやるのかとの意見があることを理解してもらいたい」と訴えた。
松野英子構成員(日本保険薬局協会常務理事)、佐藤好美構成員(産経新聞社論説委員)も富永氏に同調し、早期に結論を出すよう求めた。
こうした意見に対して、笠貫宏座長(早稲田大学総長室参与・医療レギュラトリーサイエンス研究所顧問)は「(緊急避妊薬のスイッチOTC化を)問題提起をした会議として、1年半の調査結果を踏まえ第3回目の調査をするのか、課題に対してどのような対応策を考え、次のステップに行くのかなどを考えていきたい」と今後の会議で検討していきたい意向を明らかにした。
🔽 緊急避妊薬の試験販売に関連するニュースはこちら
約8割が薬局で服用希望~緊急避妊薬販売に満足感 日本薬剤師会
出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
2023年度から試験販売の調査事業が実施されている緊急避妊薬について、医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議がスイッチOTC化に向けた進捗を報告。薬剤師の構成員からは「まだ調査研究をやるのか」との声が上がりました。