国試を改訂コアカリ対応へ~29年度から、議論スタート 薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会
厚生労働省の薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会が3月31日に開かれ、2022年度改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム対応の国試実施に向け、出題方法や内容等に関する検討を開始した。委員からは、「薬剤師としての人間性・社会性を育む学修」など、改訂コアカリの記載内容を試験科目に反映するよう求める声が上がった。国試のあり方に関する基本方針を取りまとめた上で、25年度内に出題基準を改定する予定。

現行の国試は、13年度改訂のコアカリに対応した内容として実施されているが、コアカリは22年度に改訂後、24年度薬学部入学生から適用開始し、29年度実施の第115回国試から対応予定としている。
この日の部会では、これまでの国試の実施状況などを踏まえ、▽試験科目▽出題基準▽試験出題形式・解答形式の見直し▽試験問題数▽合格基準▽過去に出題された試験問題(既出問題)の取り扱い――の各項目について検討することを決めた。試験情報の機密性等を考慮し、次回以降の検討は非公開で行う。
実際の検討に当たっては、薬剤師として選択すべきでない選択肢(禁忌肢)、必須問題や一般問題(薬学理論問題・薬学実践問題)なども検討対象となる。
試験の難易度については検討項目に含まれていないが、三澤日出巳部会長(慶應義塾大学薬学部教授)は「試験作成の段階で方向性を示した方が良いとの声もあるので、今後どうするか検討したい」との考えを示した。
22年度改訂コアカリでは、卒業時に達成すべき成果を示した大項目をA~Gに分類し、大項目B「社会と薬学」では、薬剤師としての人間性・社会性を育む学修、医療現場や地域社会における薬剤師活動の基盤獲得を求めている。
長津雅則委員(日本薬剤師会常務理事)は、「薬剤師の人に接する態度や考え方として同項目が根底になければ、薬剤師サービスを提供する質を確保しにくい。国試の科目として可視化することを考えるべき」と訴えた。
大津史子委員(名城大学薬学部教授)は、大項目A「薬剤師として求められる基本的な資質・能力」で求められる10の資質等に言及。「人工知能やビッグデータなどに関する技術を積極的に利活用する情報・科学技術を生かす能力がこれからの薬剤師に求められる。法規・制度・倫理の試験科目として入れられるか議論が必要」とした。
岩月進委員(日薬会長)は、「世間が要望する人材を育てて輩出することが薬学教育の目的とすると、業界全体で人材が偏っている現況をどうするか考え、その結果として国試をどうすべきか考える必要がある」と業態ごとに偏在がある実態を指摘した。
また、他の医療職種と比べて薬局は営利法人が多いとし、「市場が縮小すると、新規投資を行い、収益を回収する構造が成立しにくくなる。効率化を進めた場合に企業論理と薬剤師倫理が相反した際、どう対処するか確認しておくべき。大きな方針として、そのような世の中になることを念頭に置いた上で議論した方が良い」との考えを示した。
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出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省の薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会で、2022年度改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム対応の国試実施に向けた出題方法や内容等に関する検討が開始されました。