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OTC類似薬の議論平行線~3党協議 維新は与党素案に不満 自民党、公明党、日本維新の会

薬+読 編集部からのコメント

自民党、公明党、日本維新の会の3党が社会保障に関する協議を実施。医療費削減に向けたOTC類似薬の保険給付範囲見直しについて、与党側提出の素案に対し、維新が「課題の列挙だけで改革としてはゼロ回答」と批判するなど、前回と同様に合意事項なく終了しました。

自民党、公明党、日本維新の会の3党による社会保障に関する協議が17日に行われ、医療費削減に向けたOTC類似薬の保険給付範囲見直しについて、与党側提出の素案に対し、維新が「課題の列挙だけで改革としてはゼロ回答」と批判するなど前回と同様に合意事項なく終わった。後発品推進関連加算の廃止に関する議論も平行線を辿ったが、維新は次回協議で保険適用除外可能なOTC類似薬を具体的な品目名で示すよう与党側に求めた。

 

この日の協議で維新は、OTC医薬品と1日最大用量が同一のOTC類似薬と薬剤費として、アレルギー性鼻炎治療薬「アレグラ」(一般名:フェキソフェナジン)など28品目を示し、計1543億円に上ることなどを説明した。

 

また、OTC類似薬の保険適用除外に対して、前回協議で与党側が消極的な回答を示したとして、改革意思の有無、改革意思がある場合は具体的な改革案を示すよう維新が求めていた。そのため、与党側が「OTC類似薬の見直しに対する考え方の整理に関する素案」を新たに提示した。

 

素案では、保険適用除外により「OTC類似薬を一律に保険給付から除外することは高齢者だけでなく子供や慢性疾患を抱える現役世代も含めた患者負担が増加するため、医薬品ごとに個別に対応方針を丁寧に検討する必要がある」「所得に関わりなく全て自己負担する必要があるため、本来は必要な医薬品の購入を控える患者も想定され、治療に影響が生じる」などと記載。その上で、今後の保険料負担上昇を抑制するためにあらゆる努力を継続することが重要で、具体的な制度設計には専門家や患者等の意見聴取が不可欠とした。

 

協議後に議論概要を記者団に説明した維新の岩谷良平幹事長は、素案について「ただ課題を列挙したもので、改革案や解決策には一切言及がない。OTC類似薬に関する改革については全くやる気がなく、ゼロと言わざるを得ない」と厳しい見方で評した。

 

猪瀬直樹参議院議員も、「こういうことをするとこのような成果が出ると維新が説明すると、(与党側が)例外を挙げて否定してくる。政治を預かる人間の言うことではなく、プラスもマイナスも引き受けて改革すべき」と議論が膠着状態にあることを明かした。

 

一方、後発品調剤体制加算と一般名処方加算の廃止に関する議論についても、与党側が各加算の必要性を改めて説明・強調するにとどまった。

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【3党協議】維新が後発品加算廃止要求~OTC類似薬はゼロ回答

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出典:株式会社薬事日報社 

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