OTC販売機を実証開始~JR新宿駅でかぜ薬など約30品目【大正製薬】
大正製薬は、JR新宿駅改札内でOTC販売機の実証を開始した。同実証は大正製薬が「新技術等実証制度(規制のサンドボックス制度)」に基づいて申請し、JR東日本クロスステーションとブイシンクの協力のもと、同駅構内にあるドラッグストア「EkiRESQ」新宿南口店周辺にブイシンクが開発した販売機を設置し、8月末日まで一般用医薬品を販売する。
薬剤師が遠隔で販売許可
今回行われる「駅改札内におけるOTC販売機を用いた一般用医薬品販売の実証」に関する新技術等実証計画は、2021年4月23日に主務大臣である厚生労働大臣および経済産業大臣から認定を取得。
新技術等実証制度において、一般用医薬品の販売に関する実証計画で主務大臣から認定を取得するのは今回が初となる。同駅改札内にあり、JR東日本クロスステーションが運営するEkiRESQがOTC販売機を運営することで、今回の実証が実現した。
この販売機では、大正製薬が発売するかぜ薬「パブロン」シリーズ、解熱鎮痛薬「ナロン」シリーズ、鼻炎治療薬「クラリチン」など、約30品目が揃う。
同社は「販売機で買われやすいような、今すぐ欲しい、もしくは店頭では買いづらいのではと思われる商品を揃えている。販売機でも適正に行えることを確認したい」と説明した。
販売機で商品を選択すると、パッケージ全面や商品の効能、用法・用量が表示され、購入前に注意事項を確認できる。その後、EkiRESQにいる薬剤師または登録販売者による内容の確認後に許可が下り、交通系ICで決済を行う。
販売に適さない利用者が操作をした場合は、薬剤師等の操作により画面に近くの薬局・販売店で購入するように促す文言が表示され、販売機での購入を防ぐ。また、乱用性があるなど特定の成分を含む商品は大量購入防止のため、顔認証システムが用いられる。
今後の展望として、同社は「安全性が担保され、適正販売できることを確認できたら、今後はさらに薬局から離れている場所への販売機の設置について関係省庁に相談していきたい」と述べた。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
大正製薬は、JR新宿駅改札内でOTC販売機の実証を開始しました。同社のかぜ薬「パブロン」シリーズなど約30品目が8月末日まで購入できます。購入者が商品を選択すると各種注意事項が表示され、同駅構内にあるドラッグストア「EkiRESQ」内の薬剤師または登録販売者による確認後許可がおりると交通系ICで決済を行えるようになる仕組み。今後の展望として、さらに薬局から離れている場所への設置などにも意欲を見せています。