献血中止、2カ月で1830件~新型コロナで自粛影響
日本赤十字社は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2月半ばからの2カ月間に実施予定だった献血の中止件数が約1830件に上ることを公表した。献血に協力する企業・団体が外出自粛を決めたことなどが影響しており、特に今月中旬に1日当たりの辞退件数が多い傾向が見られた。日赤は、社会に必要不可欠な事業であることや感染予防対策を徹底して安全な環境を保っていることなどを協力団体に説明する方針。
日赤によると、感染拡大を受けた外出自粛などの影響で、2月15日~今月19日に実施予定だった献血について、協力団体から計1829件の協力辞退の申し出があった。6月までの実施予定分を含めると計3063件となった。
内訳を見ると、16日の91件、17日の87件、14日の84件と、今月第3週に辞退件数が多い日が集中する傾向が見られた。
日赤は、厚生労働省との連携やメディアを通じて献血への協力呼びかけを行っていることから、「今月18日時点では輸血用血液製剤の在庫量は回復している」としている。
ただ、感染拡大で3月下旬からは献血協力者が再度減少傾向に転じているとし、継続的に献血者を確保するため、インターネットや電話による事前予約をより推進する考えを示した。
一方、輸血を通じて新型コロナウイルスに感染する可能性にも言及。「呼吸器に感染するウイルスが輸血により感染が伝播した例は世界で1例も報告されていない」とし、新型コロナウイルスについても、現時点では輸血による感染疑い例はないとした。
また、「ウイルスが患者の末梢血に入ることで、重大な健康被害を起こす知見は得られていない」とし、献血血液にウイルスが含まれているかどうかを調べるスクリーニング検査の導入も現時点では考えていないとしている。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
新型コロナウイルス感染拡大による影響で、2月半ばからの2カ月間に実施予定だった献血の中止件数が約1830件に上っていることが、日本赤十字社の公表で明らかになりました。特に4月中旬に1日当たりの辞退件数が多い傾向が見られ、献血に協力する企業・団体が外出自粛を決めたことなどが影響していると思われます。日赤では、厚労省との連携やメディアを通じて献血への協力呼びかけを行っていることから、「今月18日時点では輸血用血液製剤の在庫量は回復している」としています。継続的に献血者を確保するため、今後はインターネットや電話による事前予約を、より推進する考えを示しています。