認定・研修手続きを電子化~9月に新システム稼働へ【日本薬剤師研修センター】
日本薬剤師研修センターは、薬剤師の認定や研修の手続きをシステム上で行える「薬剤師研修・認定電子システム」(PECS)を稼働する。稼働時期は9月を予定している。業務量が急増するセンターの処理能力向上を図るほか、研修受講シールを廃止して売買など不正行為や紛失を防止したい考えだ。豊島聰理事長(画像)は本紙の取材に、「現時点で全認定薬剤師の約4分の1が登録しており、年度内には全員の登録を予想している」と語った。
同センターは、薬剤師の認定など研修認定事業を行っている。かかりつけ薬剤師制度がスタートしたことで、年間認定者数が大幅に増加し、センターとして処理能力を高める必要性に直面していた。
また、これまで研修認定薬剤師の認定証の発行申請では、申請者が各都道府県の薬剤師研修協議会に郵送で申請しているが、直接センターに申請できるよう迅速化することも求められていた。
2019年には、オークションサイトで研修受講シールが売買される事案が確認され、研修実施機関の負担を増大させず、システム的に不正行為を防止する対応も喫緊の課題だった。
こうした状況を受け、同センターは、9月からPECSを稼働する。研修受講に関する管理や認定申請といった全手続きを同システムで行う。センターが直接これら手続き全般に対応することで、研修受講シールと薬剤師研修手帳の廃止が可能となり、既に手帳の販売は3月で終えた。
豊島氏は、「不正を行う薬剤師はごく一部であり、真面目にやっている人が報われるようきちんと管理できる」と稼働の意義を強調する。
センターの認定制度を利用しようとする全ての薬剤師は、PECS登録が必要になる。薬剤師はPECSでユーザーIDとパスワードを取得後にQRコードを取得でき、研修会の受付時と終了時に各1回ずつ読取装置にQRコードを読み込ませないと受講したことが証明されない仕組みとなる。
電子化以前に交付されたシールは引き続き認定申請に使用できる。書面による認定薬剤師証、認定薬剤師カードの発行は続ける方針である。
不正行為の防止に向けては、PECS導入で研修の受講履歴が自動的に記録、管理されるため、シールの紛失や受講記録が散逸する恐れもないという。
豊島氏は、「ユーザーIDとパスワードがなければ何も始まらない。既に登録を受け付けているので、登録してこれらを取得してほしい」と話している。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬剤師認定など研修認定事業を行っている日本薬剤師研修センターは、薬剤師の認定や研修の手続きをシステム上で行える「薬剤師研修・認定電子システム」(PECS)を9月開始を目途に稼働。かかりつけ薬剤師制度がスタートしたことで、年間認定者数が大幅に増加し、業務量も急増するセンターの処理能力向上を図るほか、研修受講シールを廃止して売買など不正行為や紛失を防止したい考えです。同センターの豊島理事長は「不正を行う薬剤師はごく一部であり、真面目にやっている人が報われるようきちんと管理できる」と稼働の意義を強調しています。