薬局での対面指導にこだわらず、電話やオンライン指導を検討する
患者さんにもいろいろな方がいらっしゃいます。「他の患者さんに話を聞かれたくない」と思っている患者さんから詳細を聞き出そうとすると、かえって不信感や不快感をあおってしまう可能性があるので要注意。そんなときは、対面以外でのヒアリング方法を検討しましょう。
「他の人に聞かれたくない」という患者さんの意向を確認したら、「後ほどお電話で詳しいお話を伺うことは可能でしょうか」と提案してみましょう。オンライン服薬指導も可能ですが、パソコンやスマートフォン等の機材や環境が必要なため、対応が難しい患者さんもいると思います。
そこで、多くの患者さんが対応可能な電話での服薬指導を検討しましょう。治療に関するアドバイスを求めている患者さんであれば、すんなりと受け入れてくれると思います。投薬時は、周囲の方に聞かれても支障がない内容や最低限の必要事項に関する指導をおこないます。患者さんからの質問等があれば、電話の際に相談を受ける旨を伝えると、患者さんも安心できるでしょう。
電話で気を付けたいヒアリングのポイント
何度も同じことを聞くことがないように、ヒアリングしたい内容を整理し、聞き逃しが心配であれば質問事項を具体的に書き出しておくといいでしょう。さらに、患者さんから質問されると予想される内容についても準備をしておくと、慌てることなく指導ができます。
電話でのヒアリングのポイントは、相手の話をしっかり聞くこと。できるだけ途中で話をさえぎらず、患者さんの話に集中します。電話では表情が伝わらないため、話を聞きながら相づちを入れて、「ちゃんと聞いていますよ」という信号を意識して送ることが大切です。相づちが入ると、患者さんは「聞いてくれている」と安心して、話を続けてくれます。
指導中は、「~です」「~お願いします」のような語尾で終わらせるようにしましょう。「~なので」や「~ですが」といった語尾で話し終えると、患者さんに「話の続きがあるのか」と思わせてしまい、不安やストレスを与えてしまうことがあるので注意が必要です。
ヒアリングと服薬指導が終わったら、「何か質問はありませんか」とプラスアルファのひと言を付け加えるのをお忘れなく。対面の時と同じように、「ご質問があれば、いつでもご連絡くださいね」と伝えて、患者さんのお役に立ちたい気持ちをしっかりアピールしましょう。詳しくは「電話で服薬指導をする際の注意点」を参考にしてみてください。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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