頭痛の悩みが増加傾向~コロナ禍で要因も多様化
第一三共HC調査
第一三共ヘルスケアは、20代から50代で過去1年間に頭痛や生理痛を経験したことがある男女824人を対象に、頭痛・生理痛に関する意識および実態調査を実施した。今回の調査結果を2011年の同様の調査と比較すると、この10年で特に頭痛の悩みが増加傾向となっていた。また直近の1年では、コロナ禍でライフスタイルが変化し、ニューノーマル時代ならではの「自粛生活によるストレス」や「スマートフォンの長時間利用による肩こり」など頭痛の要因も多様化していることが明らかになった。
主な調査結果を見ると、頭痛の頻度では「週1回以上」が36.2%、「月1回以上」は76.9%に上り、10年前と比べると特に「月1回以上」は16.1%増加していた。特に20~40代女性の頻度が高く、中でも30代女性では半数以上が「週1回以上」頭痛を経験していた。頭痛の程度でも、「とてもひどい」「ややひどい」人が、10年前の31.1%に対し、今回は半数以上という結果になった。
自分が「頭痛持ち」であると思う割合は53.3%で約2人に1人という状況。10年前の調査では約3人に1人(34.8%)だったことから、大幅に増加した。男女年代別では、男性より女性の方が多く、中でも30代女性が最も「頭痛持ち」だと自覚していることが分かった。
頭痛によって損失していると思う時間としては、1日当たり平均183.8分(約3時間4分)にも及んだ。10年前の同様の質問では149.0分(2時間29分)で、頭痛頻度・程度の増加に伴って、損失時間は30分以上も増加していた。
生理痛に関しては、「ほぼ毎月」の割合が約55%となり、10年前より12.1%増加した。痛みの程度も「ひどいと思う」人が17.1%も増えた。
どんな時に頭痛が起きるかを質問したところ、全ての項目で10年前よりも該当数が増加。「ストレスがたまっている時」(53.5%)や「長時間PCを見ていた時」(35.0%)など、最近の自粛生活やテレワークも影響していることが推測される結果となった。
また、「天気が悪い時」や「季節の変わり目」等の項目も大幅に伸びていた。同社は、「近年、頭痛が気圧や天気の影響を受けることの認識が広がったため、数値が伸びたと考えられる」とした。
頭痛時の対処法として最も多いのは、「鎮痛薬を服用する」(68.3%)だった。10年前に最も多かった「我慢する・過ぎ去るのを待つ」は42.7%となり、「横になる・寝る」(64.7%)に続く第3位となった。
新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、頭痛では「増えた」人が24.8%、「生理痛」では「増えた」人が9.2%で、同じ痛みでも生理痛より頭痛の方がコロナ禍の影響を受けていることが判明した。
男女年代別に頭痛の頻度を見ると、男女とも若年の20代の人がコロナ禍後に最も増加していた。
「頭痛が増えた」「やや増えた」人の理由では、「テレビやスマホの利用時間が増え、肩こり・首こりが増えた」が46.8%で最も多かった。次いで、「マスク着用で頭部を締め付けられたため」(40.0%)、「運動不足によって、肩こり・首こりが増えた」(38.5%)、「コロナによる将来的な生活不安によるストレス」(37.6%)、「コロナへの感染不安によるストレス」(35.1%)などが続いた。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
20代から50代で過去1年間に頭痛や生理痛を経験したことがある男女824人を対象に、第一三共ヘルスケアが頭痛・生理痛に関する意識および実態調査を実施。10年前(2011年)に実施した同様の調査と比較すると、自分が「頭痛持ち」であると思う割合は53.3%で約2人に1人という状況となっています。10年前の調査では約3人に1人(34.8%)だったことから、大幅な増加傾向です。またこの1年では、コロナ禍による生活が変化し、ニューノーマル時代ならではの「自粛生活によるストレス」や「スマホの長時間利用による肩こり」など頭痛の要因も多様化していることが明らかになっています。