薬剤師会

【都薬 高橋会長】選定療養で国の対応批判~「薬局が制度説明は遺憾」

薬+読 編集部からのコメント

東京都薬剤師会の高橋会長が、定例会見で2024年10月からスタートする長期収載品の選定療養について言及。「制度を作って周知するのは国の役割であるにも関わらず、薬局に説明してくれと言うのは遺憾で、あまりにも理不尽だ」と強く批判しました。

東京都薬剤師会の高橋正夫会長(写真)は、6日の定例会見で、10月からスタートする長期収載品の選定療養について言及。「厚生労働省からは窓口で頑張ってくださいと投げられている。疑義解釈などで示されているが患者に制度の内容を説明するのが難しい」と苦しい胸中を語り、国に対して「患者さんが制度を知らずに10月に入っていく。制度を作って周知するのは国の役割であるにも関わらず、薬局に説明してくれと言うのは遺憾で、あまりにも理不尽だ」と強く批判した。

高橋氏は、長期収載品の選定療養について、「後発品に対する不安が拭えずにブランドを希望する患者とのギャップが大きい」とも述べ、先発品を希望する患者への説明が課題との考えを示した。

 

一方、東京都の今年度補正予算案で薬局への物価高騰対策として、約11億円計上されたことを高く評価した。「昨年度は物価高騰対策の補正予算として薬局1件当たり1万円いただいた。今回は議会の承認はまだ下りていないものの、11億円が計上され、それを薬局7000軒で割ると医療機関と同等の15万円となる。物価高騰の基金で医療機関と同じように配慮していただいたのはありがたい」と謝意を示した。

 

高橋氏は、「(医療で)求められてくるものの中で薬剤師が関係してくることに都も気づいてきたのではないか。これまでは公の文書に薬剤師が入っておらず、『医療機関等』となっていた」と述べた上で、「コロナで地域薬剤師会も頑張った結果として、薬局も支援しようとなったと感じている」と語った。

 

 常務理事に安部氏起用

また都薬は、日本薬剤師会前副会長の安部好弘氏(写真上)を常務理事に選任した。安部氏は、サイバーセキュリティ対策など都薬事務局のDXを推進する。日薬前常務理事だった高松登副会長(写真下)も都薬の職能対策部・学術部担当として、高橋執行部体制を支える。

 

高橋氏は定例会見で、「都薬が弱かったのは事務局体制で、事務局のDXが進んでいなかったので動き出した。安部常務理事にお願いし、DXの足がかりを作り、しっかりと動ける体制にしていきたい」と狙いを語った。

 

安部氏は、「若い理事の方が一生懸命仕事をしており、都薬に帰ってきて一緒になって議論をしていきたい」と抱負を述べた。

 

DXについては、「昭和の人間なので技術的なことを若い人たちにいろいろと聞き、新しいものを作っていく。われわれがこれまで通ってきた交渉ごと、判断などは若い人たちにアドバイスする」と述べた。記者会見や都薬総会ではAIを活用し、「どんな要約、議事録ができるか評価をし、検討していきたい」と語った。

 

一方、高松氏は、「都薬が古巣と実感している。生涯学習や実務実習、後進の育成をやっていきたい」と意欲を示す一方、「日薬は新たな執行部で1回表が始まり、いろんな活動でどんな成果が出てくるか注視している」と語った。

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出典:薬事日報

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