27年4月に新潟科学大へ~薬学科入学定員は30人減 新潟薬科大学
「薬科大学」の名称消える
新潟薬科大学は4日、大学創立50周年を迎える2027年4月に「新潟科学大学」に名称変更すると発表した。26年春に文部科学省などに名称変更を届出予定だ。23年度に看護学部などを設置し、単科薬科大学から医療・健康系大学に転換する方針に舵を切っていたが、さらに今回、薬学、農学、保健衛生学に加え、社会科学や人文科学などを含む科学領域に広げるため「薬科大学」の名称を「科学大学」へと改める。近年、定員割れに直面していた薬学部薬学科の入学定員も27年度に130人から100人に30人減員する。
新潟科学大学への名称変更は関係者に広く公募し、理事会で協議を行って決定した。単科薬科大学としてスタートした同大では、創立50周年を迎える27年を機に、時代や社会のニーズにきめ細かく対応した人材育成が可能となる総合大学へと生まれ変わることで、「科学を駆使して社会や地域への貢献を図り、末永い発展を目指していく」としている。
同大学を運営する新潟科学技術学園は、新潟薬科大学について、国の「大学・高専機能強化支援事業」(学部再編等による特定成長分野への転換等にかかる支援)を活用し、27年度に教育研究実施組織(学部学科)の改組・転換や必要な見直しを図ることを決断した。
同学園の将来構想・計画に基づき、新潟薬科大学については、当面の間、文部科学相から認可されている大学全体の収容定員2000人を維持しながら、教育研究実施組織を適宜編制する。
応用生命科学部に「グリーン・デジタル学科」、系列校である新潟薬科大学附属医療技術専門学校の救急救命士科(3年制)を発展させ、同大学医療技術学部に「救急救命学科」(4年制)を設置する一方、薬学部薬学科の入学定員については定員の適正化を図るため、従来の130人から100人へと30人減員し、収容人数は780人から600人に削減する。
同大事務部学事課は、今回の決定について「グリーン・デジタル学科はどちらかといえばビジネス寄りであり、科学領域といっても社会科学や人文科学など、文系色を強めた総合大学を目指していく」とコメントしている。
薬学部薬学科の定員適正化を図るのは2度目になる。同大は、単科薬科大学から医療・健康系大学に方向転換するため、23年度に医療技術学部臨床検査学科と看護学部看護学科の二つの学部を設置し、薬学部薬学科の入学定員数を180人から130人に50人減員していた。
薬学部薬学科の入学者数は21年度134人、22年度94人、23年度115人、24年度94人と定員割れが続いており、同大は「入学状況を見て、薬学部を維持するための水準として100人が適当と考えた」と説明している。
薬学部薬学科の基本方針については「今後も変わらない。科学大学に名称変更しても、薬学部を柱としてやっていきたい」と強調。
薬剤師の地域偏在が課題とされる中、「新潟県内で唯一の薬学部であり、隣県にも薬学部がないため、今後も薬剤師を供給していきたい。教員数は維持し、改訂薬学教育モデル・コア・カリキュラムで重視されている臨床教育の充実のために教育を充てることで、教育の質向上につなげていきたい」との方向性を示している。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
新潟薬科大学は、大学創立50周年を迎える2027年4月より「新潟科学大学」に名称を変更することを発表しました。近年、定員割れに直面していた薬学部薬学科の入学定員も、130人から100人へと減員します。