緊急避妊薬OTCを承認~初の特定要指導医薬品に 厚生労働省
厚生労働省は20日、あすか製薬の緊急避妊薬「ノルレボ」(一般名:レボノルゲストレル)を医薬品医療機器等法に基づき、薬剤師の対面販売が必要な特定要指導医薬品と期間を定めない要指導医薬品としての製造販売を承認した。初の特定要指導医薬品となるが、販売開始時期は未定としている。同成分を含有する他の緊急避妊薬については、引き続き処方箋医薬品の位置づけのままとなる。
特定要指導医薬品・要指導医薬品に指定された同製品は、あすか製薬の医療用医薬品「ノルレボ錠1.5mg」のスイッチOTC医薬品で、第一三共ヘルスケアが販売を行う。厚労省は、レボノルゲストレルを含有する他製品については引き続き処方箋医薬品にとどまることを強調している。
承認取得を受け、あすか製薬と販売元の第一三共ヘルスケアは同日付でコメントを公表した。販売開始時期については「改めて知らせる」とした上で、「第一三共ヘルスケアで販売に向けて情報提供体制の整備を進め、適正販売・適性使用推進に努める」とした。
同剤は、8月の薬事審議会要指導・一般用医薬品部会で特定要指導医薬品等として製造販売承認することを了承した。性交後72時間以内に1錠を薬剤師から受け取り、その場で服用することを用法・用量とし、緊急性等を考慮して服用者の年齢制限は設けていない。
承認条件として、安全性等に関する製造販売後調査を少なくとも3年間実施するほか、必要な条件を満たした薬局または店舗販売業の薬剤師だけが販売するよう求めている。
販売を行う予定の薬剤師には、日本薬剤師研修センターのeラーニングを修了することが求められるほか、販売薬局には購入者からの聴取内容を踏まえ、性犯罪被害の恐れがあり、社会的支援の観点からワンストップ支援センターなど関係機関と連携すべきと薬剤師が判断した場合は購入者の同意を得た上で、関係機関を紹介することなども必要としている。
特定要指導医薬品は5月の薬機法改正で新設された枠組みで、薬剤師による直接対面の管理下での販売が求められ、オンライン服薬指導・販売の対象外としている。
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出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
あすか製薬の緊急避妊薬「ノルレボ」(一般名:レボノルゲストレル)について、厚生労働省は医薬品医療機器等法に基づき、薬剤師の対面販売が必要な特定要指導医薬品と期間を定めない要指導医薬品としての製造販売を承認しました。