医療

【24年度改定調査】卸の新規注文受けられず~薬局の医薬品調達厳しく

薬+読 編集部からのコメント

全国1500薬局を対象に2025年7月時点の医薬品の調達状況について聞いたところ、「卸に医薬品の新規の注文を受けてもらえない(実績のある注文のみ)」との回答が昨年度調査に引き続き約9割に上ったことが明らかになりました。

全国1500薬局を対象に7月時点の医薬品の調達状況について聞いたところ、「卸に医薬品の新規の注文を受けてもらえない(実績のある注文のみ)」との回答が昨年度調査に引き続き約9割に上ることが、2024年度診療報酬改定の結果検証にかかる特別調査で明らかになった。後発品の供給体制に「支障を来している」と回答した薬局は77.9%を占め、1年前と比較した後発品の供給体制の変化も「変わらない」が59.1%、「悪化した」は21.3%と改善の兆しは見えていない。流通改善ガイドラインの認知では「知っている」より「知らない」が上回るなど、流通改善に向けた薬局の当事者意識が問われる結果となった。

 

医薬品の調達状況について「卸に医薬品の新規の注文を受けてもらえない(実績のある注文のみ)」と回答した薬局は90.1%と最多で、「これまでの取引実績にも関わらず、限定出荷となった医薬品が入荷しない」も80.3%と高かった。昨年度調査で上位回答だった「医薬品の発注から納品まで時間がかかる」は85.6%から66.9%に下がった。

 

一方、薬局の流通改善ガイドラインの認知が低い結果も浮き彫りとなった。ガイドラインを「知っている」は46.7%、「知らない」が50.1%と半数を超えた。

 

薬局間で医薬品を融通する対応は頻繁に行われているようだ。供給不安定への対策として「地域の薬局間で医薬品の備蓄状況の共有や医薬品の融通を行った」と回答した薬局について、医薬品の融通有無を見ると「融通している」は全体で89.1%あった。医薬品を融通している年平均回数は148.2回に上った。

 

グループ店舗数別で見ると、単独店舗では「近隣薬局との連携」が89.1%と最も多かった一方、複数店舗では店舗数が多いほど「同一法人間での連携」が重視される傾向にあった。

 

薬局間での具体的な連携内容では「薬剤師会等が作成しているリストやシステムを通じた情報提供および医薬品の融通や分譲」は全体では29.7%となった。調剤用医薬品の廃棄額(薬価ベース)(4月~6月の合計値)について、全医薬品では全体で平均7万4477円、そのうち後発品は全体で平均2万1979円だった。

 

バイオ後続品の取り扱いが「ある」と回答した薬局は64.9%だった。備蓄医薬品は先行バイオ医薬品・バイオ後続品共に「インスリングラルギン」が全体では最も多く、6月の1カ月間に調剤した先行バイオ医薬品、バイオ後続品でも同様の結果となった。

 

また、病院調査では、バイオ後続品の院内処方、院外処方いずれかで「あり」と回答した病院のうち、バイオ後続品の採用が進んでいない医薬品で最も多かったのが「インスリン製剤」で31.1%だった。一般診療所調査では「バイオ後続品の採用状況の差は、医薬品ごとにあまりない」が35.4%とトップの回答となった。

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出典:薬事日報

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