【医療保険部会】在宅で「薬局の評価」追記~26年度改定方針案を了承 社会保障審議会医療保険部会
社会保障審議会医療保険部会は4日、2026年度診療報酬改定の基本方針案を概ね了承した。質の高い在宅医療を確保するため、地域で重症患者の訪問診療や在宅看取り等を積極的に担う薬局を評価することを新たに記載。医療従事者の処遇改善、OTC類似薬を含む薬剤自己負担のあり方見直し、地域の医薬品供給拠点としての薬局に求められる機能に応じた適切な評価などは骨子案から変更がなかった。
前回の部会で厚生労働省が示した改定の基本方針骨子案からの変更点として、「40年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進」の項目のうち、地域において重症患者の訪問診療や在宅看取り等を積極的に担う医療機関だけでなく、「薬局の評価」も新たに記載した。
改定に当たっての基本認識では、「現役世代の保険料負担の抑制努力の必要性を踏まえながら」、限られた人材の中でより効率的・効果的な医療政策を実現することも追記した。
物価高騰による医療機関等の諸経費増加を踏まえた対応や必要な処遇改善等を通じ、医療現場を支える医療従事者の賃上げ・人材確保のための取り組みを「的確に」進めることが急務とも記した。
渡邊大記委員(日本薬剤師会副会長)は、質の高い在宅医療を担う薬局に関する言及を追記したことを評価しつつ、「在宅における訪問診療と連携した服薬管理が十分に機能し、評価につなげられるよう議論してほしい。必要な賃上げができていないことに対しては継続的な対応が必要になるので、この点に配慮した議論も必要」と注文を付けた。
基本方針におけるその他の記載内容は、骨子案と同様のものとなった。重点課題である「物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境変化への対応」の項目では、医療従事者の処遇改善、診療報酬上求める基準の柔軟化などを記載した。
また、「効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」では、OTC類似薬を含む薬剤自己負担のあり方見直し、後発品・バイオ後続品の使用促進、医薬品に関する市場実勢価を踏まえた適正な評価、電子処方箋の活用や医師・病院薬剤師と薬局薬剤師の協働の取り組みによる医薬品の適正使用推進などを盛り込んだ。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
2026年度診療報酬改定の基本方針案を、社会保障審議会医療保険部会が概ね了承。質の高い在宅医療を確保するため、地域で重症患者の訪問診療や在宅看取り等を積極的に担う薬局を評価することを新たに記載しました。