薬剤師会

【都薬調査】使用済み注射針廃棄に苦悩~補助金ない地区薬で負担

薬+読 編集部からのコメント

東京都薬剤師会が、使用済み注射針回収事業の現状把握に関するアンケートの集計結果を公表。補助金が出ている地区とそうでない地区があり、廃棄費用は23区内の薬剤師会で最大83万円、多摩地区では最大約61万円を負担していたことが分かりました。

東京都薬剤師会は、使用済み注射針回収事業の現状把握に関するアンケートの集計結果を公表した。回答した57地区薬剤師会中24地区薬剤師会が「デバイスの多様化による廃棄費用の高騰」を挙げた。補助金が出ている地区とそうでない地区があり、廃棄費用は23区内の薬剤師会で最大83万円、多摩地区では最大約61万円を負担していたことが判明した。

 

注射針回収事業において自治体からの補助金が出ている地区は、23区では21地区(75%)、多摩地区は17地区(58.6%)となっており、23区内が高い傾向にあった。補助金の額については23区内が「全額補助」7地区、「半額以上」10地区、「それ以下」4地区となっており、多摩地区は「全額補助」が10地区、「半額以上」が5地区、「それ以下」が2地区だった。

 

補助金が自治体から出ている地区が57地区中38地区あるにも関わらず、「デバイスの多様化による廃棄費用の高騰」を訴える地区が42%あった。

 

回収の実施方法は、「都薬のボトルを購入して実施している」と回答したのが23区内で17地区、多摩地区で13地区。「都薬のボトルとそれ以外を併用している」のが23区内で11地区、多摩地区で11地区となった。多摩地区では「都薬のボトル以外を使用している」と回答した地区が5地区あった。

 

都薬のボトル・それ以外を併用する理由として一番多かったのは「患者が他のものに入れてくる」との回答で、23区内中4地区、多摩地区で7地区あった。

 

薬剤師会としての困りごととしては、全地区の42%に当たる24地区がデバイスの多様化による廃棄費用の高騰を挙げていた。そのほか、メーカーから一体型のものの回収依頼や、他県から持ち込んできた針の処分にかかる金額の決め方などが寄せられた。

 

地区薬の中には「使用済注射針の回収率・配布率をデータ化し、行政に提出したことで予算の増額に結びついた」との好事例も報告されており、その他地区での事業に役立てたい考えを示している。

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出典:薬事日報

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