医師と対等に話せるようになるための勉強
薬剤師は薬の専門家として、医師による患者の治療を補う存在です。よりスキルの高い専門職として知識を身につけましょう。薬に関しては医師から相談を持ちかけられるレベルを目指すこと。また、医師が求める情報をリサーチするためにも、医師の視点から学ぶ機会を増やすことも大切です。情報を得る機会は色々とありますが、なかでも身近な医師が集まる医師会主催の研修会で、そのときに最も話題となっている情報を学んでみましょう。
研修会への参加は、所属する薬剤師会を通じて申し込むことが可能です。ときには、医師会のほうから研修会の案内が届く場合もあります。興味のある研修会に参加したい場合は、交流のある医師に直接相談してみるのもよいでしょう。
また特定の薬に関する知識を深めたい場合は、製薬会社が主催する研修会に参加しましょう。特に新薬の説明会は、薬剤師としての価値を高める絶好の機会。医師に情報提供を行えるよう、専門性の高い知識を収集しましょう。新薬宣伝用のパンフレットや詳細の資料も熟読を。MR(医薬情報担当者)やMS(医薬品卸販売担当者)が薬局を訪問したとき、お目当ての薬のパンフレットや資料をもらって勉強しておきましょう。
忙しくてなかなか研修に参加できない人は、サイトでの情報収集がおすすめです。製薬会社が提供するインターネット上の情報は、医療関係者向けにまとめられています。医師と対等に話をするための資料として活用できるでしょう。
「疑義照会」を活用しよう!
疑義照会をしても、薬剤師に理解を示してくれる医師ばかりではありません。そのため薬剤師にとってはストレスになりがちな業務の一つ。とはいえ疑義照会は、患者さんを薬害から守るためには不可欠なものであり、薬剤師が医師に自分のスキルをアピールするチャンスでもあります。疑義照会を、医師との関係をステップアップさせるための機会として活用してみましょう。
疑義照会は薬の専門家としてのプライドをもって!
疑義照会は患者さんの安全を確保する大切な行為ですが、忙しい医師の手を止めてまで確認すべき問題か、きちんと判断できる実力が必要です。無用な疑義照会を繰り返されるのは、医師にとっては煩わしいだけで不快に感じる場合もあるかもしれません。一方で、高い知識レベルによる適切な疑義照会であれば、医師から感謝されることになります。
例えば、子どもの処方箋に成人量を超える薬の量が指定されていた場合。また日頃の処方内容や対象とする患者さんの層によって、医師がミスしやすいパターンもあるかもしれません。医師が薬剤師に求めているのは、こうした処方ミスを適切にチェックできる疑義照会なのです。そのためには患者さんを薬害から守れる専門性の高い知識も欠かせません。医師の顔色をうかがって、必要な疑義照会を避けたりすることも大きな問題です。
薬の専門家である薬剤師が「おかしい」と揺るぎない気持ちで疑義照会をしたときには、医師が多忙な様子だったり、不快感を示されたりしても怯まず確認することが必要です。こうした真摯な態度も薬剤師の仕事を理解してもらうための大切な一歩。専門職のプライドをもって、医師から選ばれる薬剤師を目指しましょう。
選ばれるチャンスの場 医師が集まる場所へ
医師から選ばれる薬剤師になるためには、普段から医師との交流を行うことも大切です。上述した医師会主催の研修会への参加は、医師との交流を深める意味でも大きなメリットがあります。また各研究分野での医学会に参加し、専門家である医師と論議を交わせば互いの情報交換が可能になり、一目置かれる薬剤師としてアピールも可能です。
しかし、外部の研修会にタイミングが合わない場合も少なくありません。そうしたときには、薬剤師が集まる研修会に講師として医師を招くことを提案してみてはいかがでしょうか。講演だけでなく医師を囲んで座談会を開く機会を作れば、生の声を聞くことができます。こうした積極的な行動も、医師に選ばれるチャンスとなるでしょう。