OTC医薬品やサプリメントをよく購入されるお客さまがいます。それはいいのですが、その方は来店されるたびに必ずと言っていいほど前回購入した商品についての小さな不満をおっしゃるのです。それも「箱の角が少しつぶれていた」「あのサプリはまずかった」など、言われたときには対応しづらい内容ばかり。どのように応対することが望ましいのでしょうか。
あまり深刻にとらえ過ぎないことも大切
この質問をいただいたとき、私は「いいお客さんだなぁ」と思いました。質問者さんは「小さな“不満”」という表現を使っていますが、本当に不満に思っているのであればお店を変えればいいこと。わざわざ気に入らないお店に通い続ける必要はないはずです。それにも関わらず、何度も来てくださっているのですから、むしろ“上得意”さま。実際にやり取りを見たわけではないので断言はできませんが、もしかするとそのお客さんは不満を言っているつもりはなく、かるい気持ちで、話題の一つとして話しているだけかもしれません。むしろ、お店の方たちの対応が毎回素晴らしいため、すっかり気に入って何度も来てくれているのではないでしょうか。
「やり取りができる上得意客」として大切にする
もちろん、クレームは真剣に受けとめる必要がありますが、かるい雰囲気で言われた場合はコミュニケーションのための話題の一つ、というぐらい前向きな気持ちで受けとめる心が必要かもしれません。質問文にあるように「箱の角が少しつぶれていた」と言われれば「お薬は大丈夫でしたか? 陳列の際には気をつけますね!」と笑顔で返す。あるいは「あのサプリはまずかった」と言われれば「そうですね。サプリはお菓子とは違いますから、苦いものもあるんですよ。説明が足りずに申し訳ありません」とさらっと答える。質問者さんのキャラクターにもよりますが、“ちょっとした不満”を“本格的なクレーム”にしないというのも接客テクニックの一つです。もしも本格的に謝罪してしまったら、お客さんとしてはクレームのつもりではなかったのに、「クレームを言う嫌な客だと思われたかもしれない。今後、あのお店には行きにくいな」と思ってしまうかもしれません。
また、もしそのお客さんが新しい商品を購入しようとしていたら、購入時に「これ、ちょっと粒が大きめで飲みにくいかもしれないですけど大丈夫ですか? 似たようなお薬でも、こちらなら粒が小さめですよ」など、先回りをしたアドバイスができればベストだと思います。
いずれにしても、かるい感じで言われた不満は、明るく応対することで心地よい接客につながると思います。
また、もしそのお客さんが新しい商品を購入しようとしていたら、購入時に「これ、ちょっと粒が大きめで飲みにくいかもしれないですけど大丈夫ですか? 似たようなお薬でも、こちらなら粒が小さめですよ」など、先回りをしたアドバイスができればベストだと思います。
いずれにしても、かるい感じで言われた不満は、明るく応対することで心地よい接客につながると思います。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
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