「ラピアクタ」に死亡例‐アナフィラキシーを注意喚起
厚生労働省は21日、塩野義製薬の抗インフルエンザウイルス薬「ラピアクタ点滴静注液」(一般名:ペラミビル水和物)に重大な副作用として死亡例が見られたことなどから、添付文書の「使用上の注意」を改めるよう同社に指示した。
ラピアクタ点滴静注液については、使用上の注意の「重要な基本的注意」の項にショック及びアナフィラキシー(血圧低下、顔面蒼白、冷汗、呼吸困難、蕁麻疹等)を追記すると共に、「重大な副作用」のショックに関する記載にもアナフィラキシーを追記し、十分な観察の実施や異常が現れた場合には投与を中止するなどの対応を促した。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)の報告書によると、国内の直近3年間で集積したアナフィラキシーに関連した17症例のうち、因果関係が否定できない症例が8件で、死亡症例が1件確認された。今回、国内症例が集積し、専門委員の意見を踏まえて添付文書の改訂が適切と判断された。
一方、サノフィの抗アレルギー薬「ディレグラ配合錠」(一般名:フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン)について、発熱や紅斑、多数の小膿疱等が現れる「急性汎発性発疹性膿疱症」を重大な副作用の項に追記。そのほか、ノバルティスファーマの糖尿病治療薬「エクア錠」(一般名:ビルダグリプチン)や第一三共の抗パーキンソン薬「ネオドパゾール配合錠」(一般名:レボドパ・ベンセラジド塩酸塩)など10件について、使用上の注意の重大な副作用の項目を改訂するよう製造販売業者に指示した。
さらに、塩酸プソイドエフェドリンを含有する一般用医薬品である佐藤薬品のかぜ薬「新持続性エスタックニスキャップ」(一般名:塩酸プソイドエフェドリン又は硫酸プソイドエフェドリン含有製剤)について、「相談すること」の項に急性汎発性発疹性膿疱症を追記した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
抗インフルエンザウイルス薬「ラピアクタ点滴静注液」に国内の直近3年間で、因果関係が否定できない症例が8件、死亡症例が1件確認されたことから、厚生労働省は2016年4月21日(木)、重大な副作用として添付文書の「使用上の注意」を改めるよう指示しました。その他、抗アレルギー薬「ディレグラ配合錠」、抗パーキンソン薬「ネオドパゾール配合錠」についても重大な副作用の項目を改訂するよう指示が出されています。