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薬剤師がアバターで薬相談~外来患者の問いかけに対応

薬+読 編集部からのコメント

これまで外来患者さん等のお薬相談に電話で応じてきた倉敷中央病院薬剤本部(岡山県)では、6月中旬より外来患者さん等の問いかけに薬剤師がアバターとなって応じる全国初と見られるお薬相談をスタートしました。相談者がスマホなどでQRコードを読み取り、ウェブ上のお薬相談に接続すると、薬剤師の動きや表情と連動した若い女性のキャラクターが画面に登場し、音声にて対話します。

倉敷中央病院薬剤本部は、6月中旬から外来患者等の問いかけに薬剤師がアバターとなって応じるお薬相談を開始した。相談者がスマホなどでQRコードを読み取り、ウェブ上のお薬相談に接続すると、薬剤師の動きや表情と連動した若い女性のキャラクターが画面に登場し、音声で対話できる。親しみやすいアバターの対応で、副作用症状を初期段階で伝えてもらうなど、相談しやすい環境を作るのが狙い。病院のお薬相談でアバターシステムを導入したのは全国初と見られる。


これまで同院では、外来患者等のお薬相談に電話で応じてきたが、選択肢の一つとしてアバターでの対応を加えた。同院の院外処方箋発行率は数%台で、お薬相談件数は月間約120~130件と多い。運用に当たって、外来患者に専用のウェブサイトにつながるQRコードを掲載したチラシを配布。6月19日の運用開始から約1カ月半が経過したが、既に1日1件のアバターお薬相談が寄せられるなど、認知が広がりつつある。

 

相談予約は不要で、平日9時から17時の時間帯に対応。相談者はパソコンやスマホ、タブレットで専用のウェブサイトに接続し「会話開始」ボタンを押すと、画面には若い女性のキャラクターが登場。音声で薬の相談を行える。外来患者からの相談が多いが、同院の受診患者ではなくても幅広く相談に応じている。

薬剤師7人が相談業務を担当している。相談者が専用ウェブサイトに接続すると、薬剤本部内にチャイムが流れる。それを合図に薬剤師はノートパソコンの前に移動し、相談者の接続を待って対話を開始する。

 

担当7人のうち2人は男性だが、システムに搭載された機能で自分の声をキャラクターに合った女性の音声に変換できる。操作する薬剤師と連動して画面上のキャラクターは動きや表情を変えて自然に振る舞うため、相談者に違和感を抱かせない。

 

カメラ機能は通常オフで、薬剤師側に相談者の顔は映らないが、必要に応じてカメラをオンにできる。相談者に手持ちの薬を撮影して見せてもらったり、薬剤師側が薬の説明書や服薬方法の説明動画などを示して理解を促したりするなど、音声以外の手段でも情報を伝達できることが電話相談にはない利点だ。

 

1件当たりの相談時間は10~15分。匿名で相談を受け付けるが、相談内容によっては患者IDを聴き取り、院内のシステムで処方歴や検査値、カルテ等を確認して回答する。相談内容は薬の飲み忘れや飲み合わせ、副作用、自己注射や吸入薬の操作方法、小児への薬の飲ませ方などが多い。

 

相談を担当する薬剤師の1人、有澤礼子氏は「外来受診時に副作用が重篤化している症例がある。予約の受診日まで我慢せず、もっと早く相談してほしいと思っていた。世代によっては電話では相談しづらいと感じている。親しみやすいアバターによる対応で相談のハードルを下げたかった」と導入意図を語る。

 

導入の結果、電話相談を含めた合計相談件数はやや増えた。電話相談に苦手意識を持つと見られる若い世代だけでなく、高齢者の利用も多い。相談者の評価は高く、「相談しやすくなった」「家でゆっくりリラックスした状態で話ができて良かった」などの声がある。

 

薬剤師側の評価も高い。有澤氏は「自分ではない違ったキャラクターになって相談に応じることで匿名性が守られる。相談に応じるストレスの緩和にもなる」と強調する。

 

今後、アバターをお薬相談以外にも活用できる可能性があるという。有澤氏は「オープンホスピタルのイベントでこのシステムを披露した。当院に何年も入院している小児がアバターとの会話を喜んでくれた。お薬相談のほかにも、様々なコミュニケーションツールに使えるのではないか」と話している。

 

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出典:薬事日報

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