15品目を31日付で薬価収載‐デュオドーパなど営利率上乗せ
厚生労働省は31日付で、新薬9成分15品目を薬価基準に収載する。内訳は、内用薬が4成分5品目、注射薬が4成分9品目、外用薬が1成分1品目。原価計算方式を適用した2成分のうち、アッヴィのパーキンソン病治療薬「デュオドーパ配合経腸用液」に20%、マルホの乳児血管腫治療薬「ヘマンジオルシロップ」に25%の営業利益率を上乗せした。24日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。
▽ビムパット錠50mg、同100mg(ユーシービージャパン):ラコサミドを有効成分とするてんかん治療薬。協和発酵キリンの「トピラマート」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。
薬価は、50mg1錠が215.60円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数8万5000人、販売額252億円。
▽デュオドーパ配合経腸用液(アッヴィ):レボドパとカルビドパ水和物を有効成分とするパーキンソン病治療の配合剤。原価計算方式で算定した。同剤は、「既存の治療薬で効果不十分な進行期パーキンソン病患者の運動症状の日内変動を制御し、日常生活の質改善に寄与することが期待できる」ことから、平均営業利益率のプラス20%を適用した。
薬価は、100mL1カセットで1万5004.30円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数961人、販売額50億円。
▽ヘマンジオルシロップ小児用0.375%(マルホ):プロプラノロール塩酸塩を有効成分とする乳児血管腫治療薬。原価計算方式で算定した。乳児血管腫に対しては、レーザー治療や手術等が行われることがあるが、「薬物治療という侵襲性の低い新たな治療選択肢を提供し、臨床的意義が認められる」ことから、平均営業利益率のプラス25%を適用。外国平均価格調整により引き上げた。
薬価は260.70円。予測市場規模は、ピーク時の4年目で患者数1110人、販売額2億7000万円。
▽ピコプレップ配合内用剤(フェリング・ファーマ):ピコスルファートナトリウム水和物、酸化マグネシウム、無水クエン酸を配合した大腸内視鏡検査の前処置薬。EAファーマの「ニフレック配合内用剤」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定。外国平均価格調整により引き下げた。
薬価は、1包1032.70円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数114万人、販売額24億円。
▽プラルエント皮下注75mgペン、同150mgペン、同75mgシリンジ、同150mgシリンジ(サノフィ):アリロクマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする高脂血症治療薬。アステラス・アムジェン・バイオファーマの「レパーサ皮下注」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。
薬価は、75mg1mL1筒が2万2948円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数6万2000人、販売額372億円。
カイプロリスに市場性加算
▽トルツ皮下注80mgシリンジ、同皮下注80mgオートインジェクター(日本イーライリリー):イキセキズマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする乾癬治療薬。ノバルティスファーマの「コセンティクス皮下注」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。
企業側からは、有用性加算を適用することや、外国平均価格調整の対象とすることを求める不服意見が出された。薬価算定組織が再検討した結果、有用性加算に関する主張については、「追加的な評価に価するとまではいえない」としつつも外国平均価格調整については「対象とする」と意見を一部取り入れ、外国平均価格調整により引き下げた。
薬価は、80mg1mL1筒が24万5873円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数6500人、販売額182億円。
▽ルミセフ皮下注210mgシリンジ(協和発酵キリン):ブロダルマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする乾癬治療薬。ノバルティスファーマの「コセンティクス皮下注」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。
薬価は、210mg1.5mL1筒が7万3158円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数3700人、販売額65億円。
▽カイプロリス点滴静注用10mg、同40mg(小野薬品):カルフィルゾミブを有効成分とする再発または難治性の多発性骨髄腫治療薬。ヤンセンファーマの「ベルケイド注射用」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定。同剤が希少疾病用医薬品の指定を受けていることなどから、市場性加算Iを適用した。
薬価は、10mg1瓶が2万3982円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数1400人、販売額120億円。
▽エピデュオゲル(ガルデルマ):アダパレンと過酸化ベンゾイルを有効成分とする尋常性ざ瘡治療の配合剤。同社の「ディフェリンゲル0.1%」とマルホの「ベピオゲル2.5%」を比較薬として、新医療用配合剤の特例で算定。外国平均価格調整により引き下げた。
薬価は、1gが159.60円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数40万人、販売額36億円。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2016年8月31日(水)、厚生労働省は新薬9成分15品目を薬価基準に収載します。原価計算方式を適用した2成分のうち、パーキンソン病治療薬「デュオドーパ配合経腸用液」に20%、乳児血管腫治療薬「ヘマンジオルシロップ」に25%の営業利益率を上乗せしているということです。