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新薬5件の承認・一変了承‐小児AD/HD治療薬など

薬+読 編集部からのコメント

2017年3月2日、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は新薬の承認と一部変更承認申請を審議し、承認しました。承認されたのは小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「インチュニブ錠」のほか、「ナルラピド錠」「シンポニー皮下注」など5件です。

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は2日、塩野義製薬の小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「インチュニブ錠」など5件の承認と一部変更承認申請を審議し、了承した。

 

〈審議品目〉

 

▽インチュニブ錠1mg、同3mg(塩野義製薬):新有効成分のグアンファシン塩酸塩を含有し、小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)を効能・効果とする。

 

同剤は、非中枢刺激薬。既承認薬として、中枢刺激薬の「コンサータ」、非中枢刺激薬の「ストラテラ」があるが、いずれも第一選択薬に位置づけられており、インチュニブもこれら既承認薬と同様に第一選択薬に位置づけられることが想定されるという。

 

用法用量は、体重50kg未満の小児で1日1mg、50kg以上では1日2mgから投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、体重で規定された維持用量まで増量する。

 

再審査期間は8年。海外では、欧米など33カ国で承認されている。

 

▽ナルラピド錠1mg、同錠2mg、同錠4mg、ナルサス錠2mg、同錠6mg、同錠12mg、同錠24mg(第一三共プロファーマ):新有効成分のヒドロモルフォン塩酸塩を含有し、中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛を効能・効果とする。

 

両剤ともμオピオイド受容体作動薬で、ナルラピド錠が即放錠であるのに対し、ナルサス錠は長時間作用型の徐放錠となる。

 

ヒドロモルフォン塩酸塩は1921年にドイツで創製された薬剤で、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が高いと判断されていた。

 

用法用量は、ナルラピドが1日4~24mgを4~6回に分割経口投与し、ナルサスが4~24mgを1日経口投与する。

 

再審査期間は8年。海外では米英など45の国・地域で承認されている。

 

▽シンポニー皮下注50mgシリンジ、同皮下注100mgシリンジ(ヤンセンファーマ):有効成分のゴリムマブ(遺伝子組み換え)を含有し、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の改善および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)の効能・効果を追加する。

 

同剤は、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤。100mg製剤が新規承認となる。

 

用法用量は、初回投与時に200mg、初回投与2週間後に100mgを皮下注射する。初回投与6週目以降は100mgを4週に1回、皮下注射で用いる。

 

再審査期間は4年。海外では、潰瘍性大腸炎の適応で欧米など70カ国以上で承認されている。

 

▽ノベルジンカプセル25mg、同カプセル50mg、同錠25mg、同錠50mg(ノーベルファーマ):有効成分の酢酸亜鉛水和物を含有し、低亜鉛血症の効能・効果を追加する。

 

同剤は、国内初の低亜鉛血症治療薬。用法用量は、成人および体重30kg以上の小児では、1回25~50mgを開始用量とし、1日2回経口投与する。30kg未満の小児では、1回25mgを開始用量とし1日1回経口投与する。最大投与量は、成人および体重30kg以上の小児が1日150mgで、30kg未満の小児は75mg。

 

再審査期間は5年10カ月。海外では、亜鉛補充を目的とした亜鉛製剤が欧州19カ国、米国で販売されている。

 

▽コムクロシャンプー0.05%(マルホ):有効成分のクロベタゾールプロピオン酸エステルを含有し、頭部の尋常性乾癬を効能・効果とする新剤形医薬品。

 

同剤はストロンゲストクラスのステロイド剤を含有したシャンプー様外用液剤。医療用のステロイド含有シャンプー製剤は初めて。既にローション剤があるが、日常生活の一部に組み込まれている洗髪行為によって投与可能となるため、コンプライアンス向上などを期待して開発された。

 

用法用量は、1日1回、患部を中心に適量を塗布し、約15分後に水またはお湯で泡立てて洗い流す。再審査期間は4年。海外では62の国と地域で承認されている。

 

〈報告品目〉

 

▽オプチレイ350注20mL、同注50mL、同注100mL、同注シリンジ100mL、同注シリンジ135mL(富士製薬):有効成分のイオベルソールを含有し、「腹部のコンピュータ断層撮影における造影」の効能・効果の追加に伴って新たな規格を追加。新規格は350注シリンジ135mL製剤となる。

 

2件の公知申請了承

 

この日の部会では、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で適応拡大が妥当と判断された2件の事前評価を行い、公知申請を行って差し支えないと結論づけた。同日付で保険適用された。

 

▽リツキサン注10mg/mL[一般名:リツキシマブ(遺伝子組み換え)]:慢性特発性血小板減少性紫斑病の適応を追加。

 

製造販売先の全薬工業は、同剤が公知申請扱いになったことを受け、希少疾病用医薬品の指定取り消しを申請した。

 

▽オビオード注射用0.1g(アセチルコリン塩化物):冠動脈造影検査時の冠攣縮薬物誘発試験における冠攣縮の誘発の適応を追加。

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出典:薬事日報

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