薬剤師会

次期改定でも「1:0.3」確保‐山本会長「不公平にならないよう」

薬+読 編集部からのコメント

2017年3月11日(土)、12日(日)に東京都内で開催された、日本薬剤師会の臨時総会。山本信夫会長が2018年4月に予定されている医療・介護報酬の同時改定について言及したほか、安部好弘常務理事がリフィル処方箋の導入に対する日本薬剤師会としての見解を述べたということです。

山本会長

 

日本薬剤師会は11、12の両日、都内で臨時総会を開いた。山本信夫会長は、2018年4月に予定されている医療・介護報酬の同時改定について言及。改定に向けては、「薬剤師が薬剤師としての業務を行う上で、必要な技術料が不公平な評価にならないよう」、医科と調剤との改定財源の公平な配分比となる「1:0.3」を確保すると強調。執行部を挙げて、「薬剤師の業務を適切に評価できる報酬体系を目指す」と述べた。

 

リフィル処方箋「いくつかハードル」‐安部常務

 

総会では、複数の代議員から、診療報酬改定に関する質問が出た。東海ブロックの石淵幹人氏(三重県)は、長期処方されたケースなどにおいて、薬剤師が処方変更の必要がないかを処方医に確認した上で一定期間内の処方箋を繰り返し利用する「リフィル処方箋」の導入に対する日薬の見解を質した。

 

日薬の安部好弘常務理事は、政府の「骨太の方針2014」に「リフィル処方箋の検討」が盛り込まれていることや、中央社会保険医療協議会でも「議論になっている」ことに触れつつ、リフィル処方箋の導入が、「コスト面などで様々な議論があり、現段階でベストチョイスという結論には至っていない」と説明。

 

現行の制度では、「長期処方で薬剤の保管が困難な場合」や、「初めて後発品を試してみる場合」などに薬局が行うことができる分割調剤があるが、「1枚の処方箋を分割して使う」分割調剤に対して、リフィル制度では「1枚の処方箋を繰り返して使う」といった点が異なるため、「どのような違いが出るかということを踏まえて議論していく必要がある」との認識を示した。

 

安部氏は、「決して、リフィルは悪い制度ではない」としつつも、「現実の制度とするには、いくつかのハードルがある」と述べた。

 

北陸信越ブロックの篠田秀幸氏(福井県)は、16年度診療報酬改定で新設された「かかりつけ薬剤師指導料」について質問。1人の薬剤師が同加算を月100件以上算定し、調剤基本料の特例点数から除外されるための申請を行った薬局を「把握しているか」と質した。

 

安部氏は、「特例除外は、個別に地方厚生局へ申請するため、把握していない」としつつも、薬剤師1人で「月100件以上というのは非常にハードルが高く、困難」と指摘。

 

仮に、加算の算定要件となっている患者からの同意書取得だけに腐心し、「粗雑なサービスで指導料を算定しているのであれば、その薬局のサービスや薬剤師の信頼は落ちるはず。そう長く続かない」との認識を示した。

 

健康サポート薬局、目標数は「900程度」

 

一方、健康サポート薬局の達成目標数や課題などの質問が出た。日薬は「900薬局くらい」との目標数を示す一方で、「届け出」そのものが目的化することを避け、質の担保を優先する考えを示した。

 

関東ブロックの斉藤裕次氏(埼玉県)は、健康サポート薬局について質問。都道府県への届け出を受理された薬局が「当初の見込みより著しく少なかった」ことを踏まえ、一定数を確保するため、日薬として、「目標数を設定し、それに向けての方策を講じるべきでは」とした。

 

日薬の有澤賢二常務理事は、1月末時点で、全国で152件の届け出があるが、13府県からは1件も届け出がないことを指摘し、「しっかりと研修を受講してもらえれば」と要請。

 

さらに、「研修修了者が1851人いるので、1薬局平均2人とすれば900薬局くらい届け出てもいい」と、具体的な数値目標にも言及した。ただ、「単に基準を満たして届け出ることが目的化しないように」ともし、「届け出た薬局がその地域の住民に対して健康意識の醸成を図り、サポート業務を提供していくことも考えながら大事に進展させていきたい」と述べた。

 

一般質問では、参加した代議員が健康サポート薬局が将来的に診療報酬に反映される可能性や、健康サポート薬局が抱える課題などについて質した。

 

山本会長は、「健康サポート薬局になれば、お金がもらえるのかということが最大の課題だ」とした上で、「お金につながるかつながらないか以前に、国民が不満に感じている点を改善するということを考える必要がある」と述べた。

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出典:薬事日報

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