「調剤基本料の一本化を」診療報酬改定で要望書‐“かかりつけ”要件見直し
日本保険薬局協会(NPhA)と日本保険薬局協会政治連盟は16日、2018年度診療報酬改定等に関する要望書を発表した。要望書は、総論的な要望事項と個別の要望事項が盛り込まれており、総論的事項では調剤基本料および関連する基準調剤加算、かかりつけ薬剤師指導料について、「複雑化し不公正な状況をもたらしている」とした上で、「調剤基本料を一本化する方向で見直すと共に、患者との関係で選択されるというかかりつけ制度の原点に立ち返り、かかりつけ薬剤師の勤務時間、在籍期間要件等の見直しとエビデンスのない規制の廃止を求めたい」とした。
要望書では、厳しい財政制約のもとで高齢化に伴い医療費が拡大する中、調剤報酬に関しては、[1]効率的、効果的な保険薬局運営を支える公正なものとする[2]患者に提供されるサービスに見合ったゆがみのない調剤報酬にする[3]薬剤師のみにある就業規制を廃止し、女性の多い薬局現場で職能を発揮させる[4]地域における健康サポート機能を推進する[5]ICT技術により、一元的薬学管理と患者・家族のPHR管理を推進する――などの視点から、「複雑で不公正になったその体系を見直していく必要がある」としている。
総論的事項の中で、基本料算定要件の「かかりつけ薬剤師」については、「かかりつけ医、かかりつけ歯科医にはない“3年の勤務経験”“週32時間勤務”“(同一薬局の)6月以上在籍期間”が求められ、女性が多くを占める薬局現場の働き方を制約している」と指摘。「現に育児中の短時間勤務制度と矛盾を来し、多くの女性薬剤師が本制度から排除されている。また、特定の薬局には在籍薬剤師1人当たり月平均100件を超えるかかりつけ薬剤師指導料を求めるなど、エビデンスのない過酷な条件を課している」などとし、かかりつけ薬剤師の勤務時間や在籍期間要件などの見直し、エビデンスのない規制の廃止を求める。
個別事項としては、▽後発品医薬品変更不可処方箋の削減▽多剤投与の改善および残薬解消の適正な評価▽吸入薬、注射薬等の服薬指導加算創設▽一包化調剤料の適正な評価▽在宅業務・多職種連携の適切な評価▽電子お薬手帳の普及等薬局健康サポート機能の充実――などを要望していく。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
日本保険薬局協会(NPhA)と日本保険薬局協会政治連盟は2018年度診療報酬改定等に関する要望書を発表しました。
調剤基本料および関連する基準調剤加算、かかりつけ薬剤師指導料について、「複雑化し不公正な状況をもたらしている」とした上で、「調剤基本料を一本化する方向で見直すと共に、患者との関係で選択されるというかかりつけ制度の原点に立ち返り、かかりつけ薬剤師の勤務時間、在籍期間要件等の見直しとエビデンスのない規制の廃止を求めたい」としています。