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更新日:2020.03.05公開日:2017.07.18 美容&健康トレンド

薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。

vol.33 薬剤師が抑えておきたい美容キーワード! 酸化の知識

美容業界には注目される「キーワード」があります。
そのキーワードはブームによるものも含め様々ですが、美容業界で長く定着しているキーワードのひとつに「酸化」があります。
薬剤師の皆さんであれば、化学で「酸化」という言葉を勉強しているので聞いたことがない方はいないと思いますが、美容の分野でどのように使われているのかご存じでしょうか?
今回は美容を語る上で大切なキーワード「酸化」についてご紹介します。

酸化とは

酸化とは、物質と酸素が結合する化学反応のことをいいます。
身近な例を挙げると金属がサビる現象が酸化です。
酸化は体内でも起こり、酸化が進行することで身体の老化が進行してしまうためアンチエイジング分野において注目されています。

酸化の原因と酸化が良くないといわれる理由

酸化を進行させる原因物質は活性酸素(他の物質を酸化させる力が強い酸素)といわれています。
人は生きていくうえで酸素が必要不可欠ですが、ストレスやバランスの悪い食事、紫外線、飲酒、喫煙などが原因で、体内にある酸素の一部が活性酸素に変化します。
活性酸素が発生すると、細胞や遺伝子を傷つけ劣化させてしまうため様々な疾患の誘発につながったり、老化の原因となってしまいます。例えば核酸が活性酸素によりダメージを受けるとがんのもとの一つとなると言われています。活性酸素は体内に侵入してきた細菌やウイルスから身体を守るために必要な物質ですが、増えすぎると細胞にダメージを与えてしまうのです。

酸化が肌に与える影響

体内で酸化が起こると、美容面にも様々な影響を与えます。
具体的には下記のような影響が挙げられます。

①シミ

活性酸素は紫外線にあたることで大量に発生し、表皮のメラノサイトを攻撃することによりメラニンの量が増加します。
メラニンはシミの原因物質であるため、メラニンの量が増加しターンオーバーで上手く処理されないとシミが出来てしまいます。

②しわ・たるみ・肌のハリ

皮膚は外側から順番に、「表皮・真皮・皮下組織」という3つの層に大きく分けることができます。
真皮にはコラーゲンが網の目状に張りめぐらされエラスチンがコラーゲン同士を結び付け、弾力を保っています。
その隙間にはヒアルロン酸などが含まれていて水分を保持しています。
これらが働きあって肌のハリを保ったり、シワが出来ないようにしています。
活性酸素はコラーゲンやエラスチンを酸化させてしまうため、活性酸素が増えると、コラーゲンやエラスチンがダメージを受け変性してしまいます。
その結果、弾力が失われたり、水分の保持ができなくなるため、肌の潤いやハリが低下し、しわやたるみの原因となります。

美容で酸化というキーワードがよく使われる理由

上で示したように、酸化はシミ・しわ・たるみ等肌の老化を招く原因です。
「若々しく見せるため」、「綺麗を維持するため」にスキンケアを行ったり化粧をするわけですから、老化に関わる原因となれば重要なキーワードですよね。
酸化と共に「抗酸化(酸化を防ぐ)」もよく使用される言葉なので覚えておきましょう。

最後に

酸化を防ぐことは肌や身体の老化を防ぐ上で大切なことです。
老化を防ぐためには「ストレスやバランスの悪い食事、紫外線、飲酒、喫煙などの活性酸素が発生する原因物質を取り除く」、「柑橘類に含まれるビタミンCや、イワシなどの青魚に含まれるコエンザイムQ10、ホウレンソウやレバーに含まれるグルタチオンなど抗酸化力のある物質を摂る」というこの2点が大切です。
健康的な毎日を送るため・いつまでも若々しくいるために酸化の基礎知識を理解しておきましょう。

花田 真理(はなだ まり)

大学卒業後、調剤薬局に勤務、その後化粧品業界へ転職し、薬事・商品研究開発・総括製造販売責任者等の業務に携わる。現在は、自身のブランド(化粧品「MarryMemory」、ハーブティー「Doctor&Pharma」)を立ち上げ、薬剤師兼美容家として活動中。

Doctor&Pharma:http://www.doctor-and-pharma.co.jp/

花田 真理(はなだ まり)

大学卒業後、調剤薬局に勤務、その後化粧品業界へ転職し、薬事・商品研究開発・総括製造販売責任者等の業務に携わる。現在は、自身のブランド(化粧品「MarryMemory」、ハーブティー「Doctor&Pharma」)を立ち上げ、薬剤師兼美容家として活動中。

Doctor&Pharma:http://www.doctor-and-pharma.co.jp/