【調剤報酬改定影響度調査】基本料1算定が大幅減‐地域支援体制加算も減少
日本保険薬局協会(NPhA)は10日、「2018年度調剤報酬改定の影響度に関する調査」の結果を公表した。それによると、調剤基本料については、基本料1が改定前(18年3月時点・8674薬局)の78.7%から、改定後(18年4月時点、8722薬局)には55.9%と22.8ポイント減少した。また、新設された「地域支援体制加算」に関して、基本料1以外の薬局(3686薬局)で取得している薬局は「ゼロ」だった。
今回の調査は、NPhAの医療制度検討委員会が主体となって実施した。実施期間は今年4月17日~5月7日で、回答者数は119社。
主な調査結果を見ると、調剤基本料は改定前の3月時点(8674薬局)では、基本料1が78.7%、基本料2が2.6%、基本料3が18.7%だった。これが、改定後の4月時点(8722薬局)では、基本料1が55.9%、基本料2が1.0%、基本料3が13.5%、基本料3-ロが29.1%、特別が0.5%となった。
新設された地域支援体制加算については、23.9%が取得した。3月時点の基準調剤加算の取得は37.0%であり、こちらも減少した。また、基本料1以外の3686薬局で、地域支援体制加算を取得している薬局はゼロだった。さらに、基本料1以外の薬局で地域支援体制加算取得の要件となっている8項目については、「かかりつけ薬剤師指導料等の実績」だけが要件を満たしていた。
医療制度検討委員会の岩崎裕昭委員長(阪神調剤ホールディング)は、「基準調剤加算から名前も変わり、今後の地域を支えていく役割を薬局が期待されているという意味があると思うが、37.0%だったものが23.9%に下がってしまった」と説明。「基本料1であろうが、基本料2であろうが、どの基本料でも地域を支えていくという意味では、早く37.0%に戻さないと、地域の方々の期待に応えられていないと思う。現在、地域支援体制加算の要件8項目に、どのように取り組んでいくかを協会で相談させていただいている」と語った。
常勤薬剤師に占めるかかりつけ薬剤師の割合は、3月時点が35.0%、4月時点が35.4%、常勤薬剤師に占めるかかりつけ薬剤師指導料の算定実績のある薬剤師の割合は、3月時点が30.4%、4月時点が30.2%だった。
全薬局数に占めるかかりつけ薬剤師がいる薬局数の割合は、3月時点で58.7%、4月時点で59.0%、全薬局数に占めるかかりつけ薬剤師指導料の算定実績のある薬局数の割合は、3月時点が54.1%、4月時点が53.4%という状況。
後発医薬品調剤体制加算に関しては、「加算なし」が3月時点の19.8%から4月時点では41.9%と大きく増加した。このほか、4月時点では加算1(後発品比率75%~80%)が25.0%、加算2(80%~85%)が22.5%、加算3(85%以上)が11.1%だった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
日本保険薬局協会(NPhA)が、2018年診療報酬改定の薬局への影響を調査しました。
今年の4月17日から5月7日にかけて実施した調査で、回答者数は119社です。
特に影響の大きかった調剤基本料1については、3月時点(8674薬局)では78.7%でしたが、改定後4月時点(8722薬局)では55.9%まで減少しました。
かかりつけ薬剤師がいる薬局の割合は、59%に微増しました。