SNS経由の医薬品購入、ツイッターと連携で監視強化
東京都は21日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やフリーマーケットサイト(フリマサイト)などを介した医薬品の購入対策として、ツイッタージャパンと連携すると共に、都の公式ツイッターアカウントを開設し、監視指導を強化すると発表した。都は「SNSやフリマサイトなどを介した医薬品の購入は危険」とし、不正な医薬品販売による健康被害を未然に防ぐ取り組みを強化する。
SNSやフリマサイトなどのサービスは2012年頃に登場した。その後、スマートフォンの普及を背景に、手軽な活用の場として広がり、17年時点では4835億円規模の市場に成長。今後も市場拡大が予測されている。
一方、SNSサービスなどの広がりにより、▽家庭で不要になった医薬品を出品▽個人輸入した医薬品や化粧品等を転売▽不適切な広告――など医薬品購入に当たっての問題点も指摘されてきた。最近では、SNSで国内未承認の緊急避妊薬や向精神薬に購入希望者を募り、フリマサイトなどに誘導した上で、偽造して出品して販売する例も見られているが、未承認医薬品や向精神薬の広告を行ったり、許可なく販売することは法律で禁じられている。
こうした中、都では昨年6月から、フリマサイトなどの運営企業6社と連携し、対策を講じてきた。出品サイクルが短く、変化が速いフリマサイトなどの広告にも対応できるようにするため、フリマサイトなどの運営企業6社と定期的に連絡会を開催。監視指導結果や最新動向を情報交換、共有することで企業の自主的な審査の向上を図り、不適正な出品の防止につなげてきた。
さらに、定期的なサイトの監視や緊急監視(一斉パトロール)なども実施している。今回、1月に開いた都とフリマサイトなど運営企業6社の連絡会に、ツイッタージャパンが参画。今後、都とフリマサイトなど運営企業6社、ツイッタージャパンの3者で連携し、違法広告ツイートに迅速に対応していく。
具体的には、都薬務課の公式ツイッターアカウント「東京都薬務課(@tocho_yakumu)」を開設。フリマサイトなど運営企業からの情報提供や都でのSNSモニタリングにより、健康被害が生じるおそれの高い医薬品の違法広告のツイートを検知した場合、都公式ツイッターアカウントから直接「警告」を行う、ツイッターへ削除要請を行うなど、違法広告ツイートの監視指導を強化する。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2012年頃に登場したSNSやフリマサイトのサービスを利用した医薬品の購入対策として、東京都はツイッタージャパンと連携しつつ、都の公式ツイッターアカウント「東京都薬務課(@tocho_yakumu)」を開設。監視指導を強化します。健康被害が生じるおそれの高い医薬品の違法広告のツイートを検知した場合、ただちに「警告」が行われるシステムです。