勤務先の同僚(管理薬剤師)の言葉遣いが気になっています。患者さんへ挨拶をする際、「いつもお世話になっております。ありがとうございます」と言ったり、ある製薬会社の製品に対してのみ「日本一信頼できる○○製薬のお薬」と言ったり……などです。私自身は違和感を感じているのですが、それを上手に伝え、できれば言葉遣いを直してもらう方法はないでしょうか。
薬局に適した接遇マナーとは?
“接客のための言葉”という意味では「いつもお世話になっております。ありがとうございます」は、決して間違いではありません。しかし「いらっしゃいませ」を使わないのと同様、薬局には薬局に適した言葉があるように感じます。
「たくさん薬局があるなかで、選んでもらえて嬉しい」と思う気持ちは大切ですが、多くの患者さんにとって、薬局は好んで出かけたい場所ではないはずです。できれば薬局のお世話にならないよう、健康でいたいというのが一般的な考え方ではないでしょうか。そのため、「ありがとうございます」という気持ちを言葉で前面に出し過ぎると、不快に感じる患者さんもいるかもしれません。「いつもお世話になっております」という言葉も同様です。患者さんは治療のため、いわば「やむを得ず」薬を飲んでいるわけですから、どんな気持ちで治療をしているかを察して言葉を選ぶことが大切です。
また「日本一信頼できる○○製薬のお薬」という言葉には、私も違和感があります。
薬の効き方は人によって異なります。同じ痛み止めでもA社の薬が合う人もいれば、合わない人もいます。それにも関わらず、「日本一」と言い切ってしまうことは問題ですね。
その言葉を聞いた別の患者さんが「私の薬は○○製薬の薬じゃないけど大丈夫かな」と不安になる可能性も否めません。
「たくさん薬局があるなかで、選んでもらえて嬉しい」と思う気持ちは大切ですが、多くの患者さんにとって、薬局は好んで出かけたい場所ではないはずです。できれば薬局のお世話にならないよう、健康でいたいというのが一般的な考え方ではないでしょうか。そのため、「ありがとうございます」という気持ちを言葉で前面に出し過ぎると、不快に感じる患者さんもいるかもしれません。「いつもお世話になっております」という言葉も同様です。患者さんは治療のため、いわば「やむを得ず」薬を飲んでいるわけですから、どんな気持ちで治療をしているかを察して言葉を選ぶことが大切です。
また「日本一信頼できる○○製薬のお薬」という言葉には、私も違和感があります。
薬の効き方は人によって異なります。同じ痛み止めでもA社の薬が合う人もいれば、合わない人もいます。それにも関わらず、「日本一」と言い切ってしまうことは問題ですね。
その言葉を聞いた別の患者さんが「私の薬は○○製薬の薬じゃないけど大丈夫かな」と不安になる可能性も否めません。
「患者さんの気持ち」という切り口で指摘する
今回のご相談は「どう指摘して直してもらえばよいか」ということでした。管理薬剤師に意見するのは、少々勇気のいることかもしれませんね。その場合は「もしかすると、少し不快な思いをされる患者さんもいるかもしれません」や「私が患者さんだったら、こう受けとめるかもしれません」など、クッション言葉をうまく織り交ぜながら、患者さんの気持ちを考えてのことであると伝えてみましょう。
もし何度か話してみても改善されないようなら、管理薬剤師の上の上司に直接相談してみてもよいでしょう。やはり、「日本一信頼できる」という発言が気になりますので、なんとか改善してもらえるといいですね。
もし何度か話してみても改善されないようなら、管理薬剤師の上の上司に直接相談してみてもよいでしょう。やはり、「日本一信頼できる」という発言が気になりますので、なんとか改善してもらえるといいですね。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
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