薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.04.13公開日:2018.07.03 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー

あまり知らない薬について説明を求められたら、どうするか
あまり知らない薬について説明を求められたら、どうするか

勤め始めた後も薬の種類がどんどん増え、知識をアップデートしようと努力はするものの、追いついていません。良く知らない薬が処方されて、患者さんに詳しく説明を求められたとき、どう対応したらいいでしょうか。

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わからないことがあるのは、恥ずかしいことではない

次々に新薬が出る中、アップデートの努力を怠らない姿勢は素晴らしいですね。いつもお伝えしているところですが、わからないことがあるのは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、わからないと自覚できるからこそ、薬剤師として成長できるのです。もちろん、何から何までわからない、というのでは薬剤師としての自覚が足りないと言えますが、新しい知識や技術についてはそのたびに学び身につけていくものなので、経験が長かろうが知識が豊富であろうが、誰でも同じことです。
大切なのは、わからないときの対応。「わかりません」「答えられません」では患者さんの信頼を得ることは難しいし、知っているふりをして適当に答えるのはもってのほかです。

「調べてから答えたい」とお願いしてみる

では、どうすればいいか。質問者さんが一番困っていることだと思いますが、ありのままの自分で対応するしかありません。わからないことを正直に患者さんに伝えて、「申し訳ありません。質問のお薬について詳しくないので、調べてからお答えしたいのですがよろしいでしょうか」というように尋ねてみましょう。「わからない」「知らない」と言うこと自体が恥ずかしくて言えない、と思うかもしれませんが、即答できない段階で、患者さんにはそれが伝わってしまうもの。だったら、包み隠さず本音を伝え、代わりに「責任をもってお答えしたいので、調べる時間をいただけませんか」とお願いしてみる。知識不足を認めたとしても、真剣に向き合う熱意は必ず患者さんに伝わります。
このとき気をつけたいのは、患者さんに選択肢を提案すること。その場で待ってもらうのか、後で電話するのか、再来局してもらうのか。対面・電話・書面など説明方法もいろいろ考えられます。やみくもに「調べますのでお待ちください」と言うのではなく、患者さんの都合や要望を優先することで満足度が高まります。詳しく知りたい患者さんであれば、時間をかけてでも調べてほしいと思う人も多いはず。患者さんから「次もまたこの薬剤師さんに相談したい」と思ってもらえるように、本当に知りたいことについて的を射た説明ができるよう努力しましょう。

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即答できないときの対応こそが信頼につながる。恥ずかしがらずに、調べて答える意欲をみせましょう。
即答できないときの対応こそが信頼につながる。恥ずかしがらずに、調べて答える意欲をみせましょう。

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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