若手社員に資格を取るようすすめているのですが、「給料が上がるなら……」とお金のことばかり。新たなことにチャレンジしようとしない若手にどのようにモチベーションを上げてもらうべきか悩みます。
価値観や考え方を認め、聞く耳を持ってもらう努力を
若手のモチベーションを上げたいと模索する相談者さんの熱意、素晴らしいですね。薬剤師の中には、「給料が高い」という理由で薬剤師を目指した人も少なからずいると思います。働き方改革が声高に言われ、薬剤師業務も過渡期を迎えている現状で、お金にこだわりすぎる姿勢は確かに気になりますが、今回の相談については、若手との関係性がカギを握っているように感じます。
若い薬剤師さんたちが新しいことに挑戦することはもちろん大切です。しかし、自主性を持ってもらうには、自身が快感ややりがいを覚える対象を見つけてもらうことが先決。相手の価値観や考え方を認めることなくモチベーションを高めさせるのは難しいと心得ましょう。
薬剤師としてどんな仕事をしたいのか、といった自覚や目標がなければ、学ぶ方向性は見えてきません。「こんな薬剤師になりたい」という目的や目標があってこそ、資格取得はその手段になります。「資格を取れば?」とすすめられても、やる気がなければ焼け石に水。鬱陶しいと思われるのが関の山です。
そこで大切なのは、聞く耳を持ってもらうための信頼関係づくりです。信頼関係づくりの重要性は第113回でも触れましたね。たとえば、若手が興味を持つことに自分自身も関心を示してみる。相手に関心を持ち、共感を得られるまで、地道にコミュニケーションを重ねていきましょう。「そんなことまでしなくちゃならないの?」と思うかもしれませんが、人は価値観が同じ相手に対してリラックスして話を聞く気になります。「自分の気持ちをよく分かってくれる」「この人は頼りになる」と感じて話を真剣に聞いてみようと思ってもらい、ここまできてようやく、資格取得の話に耳を貸してもらえるのです。
若い薬剤師さんたちが新しいことに挑戦することはもちろん大切です。しかし、自主性を持ってもらうには、自身が快感ややりがいを覚える対象を見つけてもらうことが先決。相手の価値観や考え方を認めることなくモチベーションを高めさせるのは難しいと心得ましょう。
薬剤師としてどんな仕事をしたいのか、といった自覚や目標がなければ、学ぶ方向性は見えてきません。「こんな薬剤師になりたい」という目的や目標があってこそ、資格取得はその手段になります。「資格を取れば?」とすすめられても、やる気がなければ焼け石に水。鬱陶しいと思われるのが関の山です。
そこで大切なのは、聞く耳を持ってもらうための信頼関係づくりです。信頼関係づくりの重要性は第113回でも触れましたね。たとえば、若手が興味を持つことに自分自身も関心を示してみる。相手に関心を持ち、共感を得られるまで、地道にコミュニケーションを重ねていきましょう。「そんなことまでしなくちゃならないの?」と思うかもしれませんが、人は価値観が同じ相手に対してリラックスして話を聞く気になります。「自分の気持ちをよく分かってくれる」「この人は頼りになる」と感じて話を真剣に聞いてみようと思ってもらい、ここまできてようやく、資格取得の話に耳を貸してもらえるのです。
尊敬する先輩の経験談が心を動かす
話を素直に聞いてもらえる関係性ができたら、いよいよ次のステップへ。相手の心を動かすために必要なのは、理屈や正論ではなく、経験者が自分の言葉で語る熱い思いです。実際に経験した人の話は、心を動かす力を持っています。資格を取って良かったと思った事例や資格が役に立ったと感じた瞬間、投薬や在宅業務等で患者さんや医師に喜ばれた実体験を、率直に伝えてみましょう。
かっこつける必要はありません。難しい言葉も要りません。つらいときどうやって乗り越えたのかという体験談や患者さんの「ありがとう」の言葉が励みになったエピソードなど、苦しみも喜びも隠さずに伝えれば、その中に新人さんの興味を引く話題が必ずあるはず。
こうした話をすることで、「自己投資して学びを深めた結果、お金に換えられない充実感や達成感が得られる」と初めて気づくのです。もし受講料の補助など支援制度等があれば、「私の時は受講料の補助なんてなかったから、うらやましい」など、正論だけでない情報も若手の選択や決意を後押しします。
資格取得のための学びは、薬剤師の自信を深めます。仕事へのモチベーションが高まれば、患者さんに喜ばれたり医師やコメディカルから頼りにされたりする機会も増え、さらにモチベーションが高まるという好循環が生まれます。相談者さん自身が薬剤師として何を目指しているのか、新人さんにどんな薬剤師になってほしいと思っているのか、自分の率直な思いを新人さんの目を見て伝えてみてください。思いが新人さんに届けば、きっと心を開いて、真剣に話を聞いてくれるようになると思います。
かっこつける必要はありません。難しい言葉も要りません。つらいときどうやって乗り越えたのかという体験談や患者さんの「ありがとう」の言葉が励みになったエピソードなど、苦しみも喜びも隠さずに伝えれば、その中に新人さんの興味を引く話題が必ずあるはず。
こうした話をすることで、「自己投資して学びを深めた結果、お金に換えられない充実感や達成感が得られる」と初めて気づくのです。もし受講料の補助など支援制度等があれば、「私の時は受講料の補助なんてなかったから、うらやましい」など、正論だけでない情報も若手の選択や決意を後押しします。
資格取得のための学びは、薬剤師の自信を深めます。仕事へのモチベーションが高まれば、患者さんに喜ばれたり医師やコメディカルから頼りにされたりする機会も増え、さらにモチベーションが高まるという好循環が生まれます。相談者さん自身が薬剤師として何を目指しているのか、新人さんにどんな薬剤師になってほしいと思っているのか、自分の率直な思いを新人さんの目を見て伝えてみてください。思いが新人さんに届けば、きっと心を開いて、真剣に話を聞いてくれるようになると思います。
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村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
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2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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※投稿者の特定を避けるため、一部内容を変更して掲載しております。