薬剤師の接遇マナー・テクニック 公開日:2015.11.04更新日:2023.03.23 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー

年上の部下とのコミュニケーション
年上の部下とのコミュニケーション

現在の店舗に新米の薬局長として配属されて3ヵ月ほどになります。実は私よりも年上(40
代後半)の女性薬剤師とのコミュニケーションに悩んでいます。彼女はパートですが、週5日勤務でこの薬局に勤め始めて10年目。私が何か提案しても、彼女がいいと言わなければ他のスタッフも動きません。なんとかうまくやっていきたいのですが……

Answer
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頼りになるブレーンがいるようなもの

この場合、大前提として上司と部下である前に目上の人、「薬剤師として経験が豊富な先輩を敬う」という気持ちが不可欠です。パートや社員という違いがあるかもしれませんが、それは雇用形態が異なるだけ。能力やスキルとは関係ありません。「自分は薬局長なんだから」と上に立つことを意識しすぎるよりも、「ぜひとも力を貸してほしい」と謙虚な気持ちを持つことで、スムーズにまとまるはずです。
 
ましてやこのパート薬剤師さんは他スタッフからの信頼も厚いようなので、うまくいけば他のスタッフも同時にまとめることができる。考えようによってはラッキーかもしれません。彼女をうまく味方につけることができれば、薬局内がまとまるという状況なのです。

「指示を出す」のではなく「相談する」

具体的には何かを行う際、全員の前でいきなり「□□は今後、こうすることにしたいと思います」などと言い切るのではなく、あらかじめパート薬剤師さんに個別に「こうしたいと思うのですがどうでしょうか?」と相談する形で話をすることです。全員に発表するのはそのあとで。拒否をされたらどうしてダメなのか、どのような形であれば取り入れられるのか、意見を聞くという形で聞きだします。
 
彼女はこれまで色々な苦労がありつつも、同じ薬局でずっとがんばってきた人です。まずは「○○さんがいてくれてよかった。助かります」と、そのことに敬意を表します。何か新しい取り組みを行う際も「○○さんが出してくれたアイデアを採用して、こうしたいと思います」など、表に立ってもらうような流れをつくると、わざわざ指示をしなくても率先してスタッフをまとめてくれるようになるでしょう。
 
うわべだけでおだてたり、うまく立ち回ろうとするとその気持ちは相手にも伝わります。心から敬いながら、「一緒にやっていこう」という気持ちで接することが大切。先輩パートさんの経験と知恵を活かし、素晴らしい薬局をつくってくださいね。
立場に関係なく、先輩を敬う気持ちで接し、経験と知恵を活かす工夫を!
立場に関係なく、先輩を敬う気持ちで接し、経験と知恵を活かす工夫を!

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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