指導内容をメモしてから服薬指導に臨みましょう
ここでまずお伝えしたいのは、苦手意識を持ったり緊張したりすることは誰にでもあることなので、不安や怖さを感じている自分自身を受け入れ認めてほしいということです。その上で、できることから一つずつ練習して、苦手意識を克服してほしいと思います。
苦手意識の克服におすすめしたい3つの取り組みを紹介します。
1つ目として、元気よく挨拶することからはじめてみましょう。いきなり上手にスラスラと話せるようになろうと思わず、「今日は挨拶ができた」という小さなステップから始めて、自信をつけていって欲しいと思います。
2つ目は失敗を恐れすぎないこと。「患者さんの声が大きい=怖い」などの先入観があると、どうしても表情や態度に出てしまうもの。緊張してうまく言葉が出てこなかったり声が上ずったり、顔がこわばって笑顔での丁寧な応対ができなくなったりしているかもしれません。
ですが、できなかったことを「今日は噛んじゃったけど、これもご愛嬌」「本当の笑顔は今度見てもらえばOK」などと前向きにとらえてほしいのです。「失敗しても大丈夫、次で挽回すればいい」「たまに恥をかいても、それも経験。いつか必ず役に立つ」と自分に言い聞かせましょう。
3つ目におすすめしたいのは、服薬指導で伝えるべきことをあらかじめメモ書きしておくことです。指導事項などを具体的に書き出し、読むだけで必要な指導ができるというところまで万全に準備をしておきましょう。ちょっとしたことで舞い上がったりパニックになったりしやすい人も、事前準備があれば落ち着いて対応できます。
最初は不安でいっぱいかもしれませんが、堂々と落ち着いて対応できるようになるまで、少しずつ小さなことからチャレンジして、自信をつけてほしいと思います。
話してみると、実はやさしい人というケースも
ここは思い切って堂々と患者さんに声をかけてみましょう。電話をかけたら、「こんにちは、いつもお世話になっています、△△薬局の○○です」と、いつもよりほんの少し大きめの声で挨拶してみてください。たとえカラ元気であっても、自分の勇気に自分が励まされて、その勢いで要件に入ることができると思います。
薬局で対面するときは、挨拶に加えて自己紹介をするのもひとつの手です。2回目以降でも、「本日担当いたします、〇〇と申します。よろしくお願いします」と名乗るところから始めましょう。患者さんは「きちんとしているな」と感じて、無理難題を言いにくくなりますし、名前と顔を覚えてもらえれば患者さんの反応ががらりと変わるはずです。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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