小さな医院の門前薬局で働いています。患者さんはほとんど同じで難しい処方もほとんど出ないので、DO処方なら「ご確認ください。体調はお変わりないですか?」くらいしか聞いていません。新しいお薬の場合も、副作用についてかなりオブラートに包んで伝えています。
ところが、他店舗にヘルプに入った際に同じように説明していたところ、先輩薬剤師から「はっきり伝えないと薬剤師として仕事をしたことにならない」「そんな説明なら誰でもできる」と散々言われました。自分ではサボっているつもりはなく、自店舗の管理薬剤師を参考にしていたつもりです。自分の患者さんへの伝え方は薬剤師として失格なのでしょうか。
ところが、他店舗にヘルプに入った際に同じように説明していたところ、先輩薬剤師から「はっきり伝えないと薬剤師として仕事をしたことにならない」「そんな説明なら誰でもできる」と散々言われました。自分ではサボっているつもりはなく、自店舗の管理薬剤師を参考にしていたつもりです。自分の患者さんへの伝え方は薬剤師として失格なのでしょうか。
ヘルプに入ったら、指導時の注意事項などを確認しましょう
ヘルプに入って協力しているにもかかわらず、なかなか厳しいことを言われてしまいましたね。ですが、今回の相談については、ヘルプ先の先輩の言い分も分かる気がします。相談者さんの説明が薬剤師として失格ということではなく、ヘルプに入る際の心構えを問われているように感じました。
薬局は立地条件や規模などがさまざまで、それに合わせるように患者層もさまざまです。近隣のクリニックの医師との関係性も指導内容に大きく反映されます。相談者さんの日頃の指導は、来局される患者さんの特徴にあわせてアレンジして行き着いた内容なので、患者さんの要望に沿った究極の指導と言えると思います。
同様に、ヘルプ先でもその薬局の患者さんに合わせた指導方法が確立されてきたはずです。
「郷に入っては郷に従え」と言いますが、ヘルプに入る時にはヘルプ先の「文化」を最初に確認することをおすすめします。どの薬局でも、医師や患者さんとの関係性の中で、それぞれの薬局の文化が築かれていきます。残念ながら、初めてヘルプに入った薬剤師には太刀打ちできない、それぞれの薬局独自の文化があるということです。
薬局は立地条件や規模などがさまざまで、それに合わせるように患者層もさまざまです。近隣のクリニックの医師との関係性も指導内容に大きく反映されます。相談者さんの日頃の指導は、来局される患者さんの特徴にあわせてアレンジして行き着いた内容なので、患者さんの要望に沿った究極の指導と言えると思います。
同様に、ヘルプ先でもその薬局の患者さんに合わせた指導方法が確立されてきたはずです。
「郷に入っては郷に従え」と言いますが、ヘルプに入る時にはヘルプ先の「文化」を最初に確認することをおすすめします。どの薬局でも、医師や患者さんとの関係性の中で、それぞれの薬局の文化が築かれていきます。残念ながら、初めてヘルプに入った薬剤師には太刀打ちできない、それぞれの薬局独自の文化があるということです。
日ごろの自分の投薬スタイルは一旦横に置いて、ヘルプ先がどのようなスタンスで患者さんと向き合っているのかという点や、指導時の注意事項などを確認しましょう。同じ薬の説明でも、薬局によっては、指導内容だけでなく、微妙な言い回しや言ってはならない言葉があるかもしれません。こればかりは、ヘルプ先の薬剤師に聞かなければ決して分からないことなので、ヘルプに入ったら、最初に必ず確認してほしいと思います。
また、分からないことがあれば、決して自分で判断せずヘルプ先のスタッフに確認することも大切です。
ヘルプ先の指導方法などを学んで、資質や能力を高めましょう
個人的な話ですが、私は長い間、ヘルプに入るのが苦手でした。しかし、転職して派遣の立場でいろいろな薬局で勤務するようになって、考え方が一変しました。一つの薬局にいては決して経験できない多くの薬やさまざまな処方を経験することができて、学びの宝庫だと気づいたからです。
薬剤師の本分は患者さんの薬物治療のサポートです。常勤とかヘルプとか、個々の薬剤師の立場は患者さんには関係ありません。ヘルプの薬剤師でも快く受け入れてくれる患者さんを前にして、できることは何かと言えば、患者さんの期待や要望に応えることでしょう。不安にさせることが決してないように、いつもの伝え方にこだわらず、柔軟に指導方法を変えられる薬剤師であってほしいと願っています。
薬剤師の本分は患者さんの薬物治療のサポートです。常勤とかヘルプとか、個々の薬剤師の立場は患者さんには関係ありません。ヘルプの薬剤師でも快く受け入れてくれる患者さんを前にして、できることは何かと言えば、患者さんの期待や要望に応えることでしょう。不安にさせることが決してないように、いつもの伝え方にこだわらず、柔軟に指導方法を変えられる薬剤師であってほしいと願っています。
ヘルプを頼まれるということは、相談者さんのこれまでの経験や実績が認められた証拠でもあります。積極的に多様な指導方法を学ぶなど、自らの資質や能力をより一層高める機会としてヘルプの時間を有意義に過ごしてほしいと思います。
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村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
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