実際にあった! 薬剤師あるある体験談 公開日:2025.09.19 実際にあった! 薬剤師あるある体験談

 

医療に欠かせない職種でありながら、どこか影が薄いと言われてしまうこともある、薬剤師という哀しき存在……。「あるある話」を通して、もっと知ってください。私たち薬剤師のこと!

 

薬剤師はどんな人にも平等に接する仕事【薬剤師のあるあるシーン#13】

 

薬剤師はどんな人にも平等に接する仕事

イラスト/浅水シマ

 

ある日、患者さんから「自分のことを、もっと丁寧に扱ってほしい」という趣旨のことを言われたことがあります。その言葉を聞いた瞬間、「私の対応は雑だっただろうか?」と一瞬ドキッとしました。

 

しかし、よくよくお話を聞いてみると、こちらの対応に問題があったというよりは、「社会的地位が高い自分には、もっと特別に敬意を払ってほしい」という、その患者さんの価値観に基づく言葉だったことが判明しました。

 

私たち薬剤師は、どんな患者さんに対しても平等に、親身に接し、そして正確に情報を伝えることを信条としています。特定の誰かを特別扱いすることは、あるべき理念とは異なります。

 

その患者さんの言葉にどう反応したかよく覚えていませんが、「皆さんに対して同じように接している」というようなことを言ったと思います。その患者さんのニーズと自らの信条との間にあるギャップを目の当たりにして、少々考えさせられました。私たちの仕事に対する信条が伝わっていたらと願うとともに、患者さんに対して言葉を選び、対話を重ねることの大切さをあらためて感じさせてくれた出来事でした。

 

薬剤師は、日々さまざまな考え方を持つ人々と接する仕事です。時には予期せぬ言葉に戸惑うこともありますが、それもまた私たちの仕事が人々の生活に密着している証拠なのかもしれません。薬局のカウンターの向こう側で、今日も薬剤師は奮闘しています。

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執筆/藤野紗衣(ふじの さえ)

東北大学薬学部卒業後、ドラッグストアや精神科病院、一般病院に勤務。現在はライターとして医療系編集プロダクション・ナレッジリングのメンバー。専門知識を一般の方に分かりやすく伝える、薬剤師をはじめ働く人を支えることを念頭に、医療関連のコラムや解説記事、取材記事の制作に携わっている。
ウェブサイト:https://www.knowledge-ring.jp/