薬剤師会

「減薬提案書」を処方医に送信‐近隣病薬との連携も構築

薬+読 編集部からのコメント

日本調剤和歌山西薬局と和歌山労災病院は、4月から定型書式「減薬提案書」の利用を開始し、半年間で11症例の減薬提案を実施し、4症例で服用薬剤調整支援料の算定。
飲み残しや多剤併用を薬剤師が医師に伝えるための定型書式、要注目ですね!

多剤併用適正化で役割

日本調剤和歌山西薬局は、処方医に対して減薬を持ちかける定型書式「減薬提案書」を作成し、今年4月から活用を開始した。多剤併用(ポリファーマシー)の適正化が目的。服薬情報提供書(トレーシングレポート)でも提案は可能だが、用途を限定した書式を活用することで、薬局薬剤師からの減薬提案を医師に強調して伝えやすくなるという。減薬を提案した患者の次回診察日に病院薬剤師が外来で面談して聴き取りを行うなど、近隣にある和歌山労災病院の薬剤部との連携体制も構築した。

 

用途を限定した書式を用いることで減薬を強調して伝えやすくなる
用途を限定した書式を用いることで減薬を強調して伝えやすくなる
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同薬局の薬剤師は服薬指導時、患者に減薬希望の有無を確認。服薬や症状改善、副作用などの状況を聞き取る。減薬の必要があると評価した場合、その理由や薬剤名を減薬提案書に記載。トレーシングレポートに添付して医療機関にFAXで送信する。

 

近隣の和歌山労災病院とは連携体制を構築した。減薬提案書を送信すると同院の薬剤師はそれを確認し、医師に伝える。次回診察日には診察前に薬剤師が外来で面談。患者の状況を改めて把握した上で医師に伝える。医師はその情報を踏まえて必要に応じて処方を調整し、減量や減薬を実行に移す。提案への返答は薬局にフィードバックされる。

 

減薬となった場合、病院は薬剤総合評価調整管理料を算定。薬局に報告書を送付する。薬局はそれを確認し、患者に減薬内容を説明。減薬が4週間以上継続した後、次回来局時に服用薬剤調整支援料を算定する。

 

日本調剤大阪支店の藪田貴哉氏は「薬の数が多いと思っており、一部の薬を飲んでいないが、そのことを医師には言えないという患者を数人経験した。近隣の和歌山労災病院に相談したところ、外来担当薬剤師と連携して取り組むことになった」ときっかけを語る。

 

様々な提案を盛り込むことが可能なトレーシングレポートで提案するのではなく「減薬という提案をよりはっきりさせたいと考え、今回の書式を作成した」という。

 

取り組みを開始した今年4月から9月までの半年間で11症例の減薬提案を実施した。減薬の提案理由はコンプライアンス不良が最も多く、続いて▽効果不十分▽薬効重複▽症状改善▽合剤への変更――となっていた。一部でも提案が受け入れられたのは8症例。4症例で服用薬剤調整支援料の算定に至った。

 

「薬が減ったと喜び、服薬の意識が変化してアドヒアランスが改善した症例があった」と藪田氏。「減薬提案書を新たに設けたことで薬局薬剤師の意識も高くなった。病院薬剤師が仲介役となって機能するため、提案を実際の減薬に結びつけやすくなった。今後も減薬提案に力を入れたい」と話す。

 

ポリファーマシーは、アドヒアランスを低下させたり有害事象の発生率を高めたりするとして、その適正化が社会的な課題になっている。こうした背景から今春の診療報酬改定で服用薬剤調整支援料が新設された。6種類以上の内服薬を服用する患者について薬局薬剤師が医師に文書で減薬を提案し、2種類以上減少した場合に算定できる。

 

減薬の提案をどのように行うのか、各薬局が試行錯誤を続ける中、日本調剤和歌山西薬局と和歌山労災病院が構築した方法はそのモデルとなりそうだ。

 

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出典:薬事日報

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