処方せん

バルサルタン原薬の健康影響、医療者にリスク程度など周知‐厚労省が通知発出へ

薬+読 編集部からのコメント

発癌性物質の混入が懸念される高血圧治療剤「バルサルタン錠『AA』」について、薬剤師から服用患者への情報提供が必要に。厚労省から通知が発出される予定です。

薬食審の医薬品等安全対策部会の調査会
薬食審の医薬品等安全対策部会の調査会

 

中国の企業が製造した原薬に発癌性物質が混入している懸念から、あすか製薬が自主回収した高血圧治療剤「バルサルタン錠『AA』」について、25日の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会では、服用患者に薬剤師などの医療関係者が必要な情報を提供する方針を了承した。同剤が既に市場に流通していないことや発癌リスクの程度などを記載した文書をあすか製薬が作成し、医療関係者に周知する。厚労省は、これら内容を記載した通知を都道府県や関係団体に発出する考えだ。


バルサルタン錠「AA」をめぐっては、中国の浙江華海薬業(ファーハイ)が製造した原薬に、ヒトに発癌性を持つ可能性がある物質「N-ニトロジメチルアミン(NDMA)」が検出されたことを受け、あすか製薬が7~8月にかけて自主回収を実施。2016年12月の最終出荷後、今年6月に承認整理を行っているため市場に流通していないが、16年3月までに約1万9000人の患者に処方されている。

 

国立医薬品食品衛生研究所が同剤の服用による健康影響を評価した結果、最もNDMA混入濃度が高い原薬から製造された160mg錠について、販売期間の4年間毎日1錠服用した場合、1万5000~3万人に1人の割合で過剰に癌を発症するリスクがあるとしており、厚労省は「リスクは相当低い」との見解を示している。

 

これらを踏まえ、厚労省は、同剤を服用済みの患者に対して薬剤師や医師などの医療関係者が服用による健康影響などを情報提供することが必要と判断。既に自主回収を終えて市場に流通していないことや発癌リスクの程度などを記載した文書をあすか製薬が作成し、医療関係者に周知することとした。

 

厚労省もこうした内容を記載した通知を都道府県や関係団体に発出する。日本医師会が原薬の生産国や含有製品などを医療者が追跡できるシステムを構築すべきと主張していることに対しては、「別途、検討したい」としている。

 

高脂血症薬の併用禁忌解除‐添付文書改訂を了承

 

一方、この日の調査会では、添付文書で「原則禁忌」とされている腎機能の検査値異常が見られる患者へのスタチンとフィブラート系薬の併用について、「重要な基本的注意」の項に移行する改訂内容を了承した。

 

両剤の併用は、横紋筋融解症が発現しやすいため、原則禁忌とされているが、欧米では一部薬剤を除き腎機能の検査値異常が認められる患者に両剤を併用禁忌としていない。

 

そのため、日本動脈硬化学会が原則禁忌の見直しを要望しており、国内外のガイドラインでも同様の記載内容との調査結果を踏まえ、添付文書の改訂が適当と判断。両剤の併用に関する記載内容を重要な基本的注意の項に移行し、「やむを得ず使用する場合は定期的に腎機能検査を行い、筋肉痛などの自覚症状の発現、腎機能の悪化が見られた場合は直ちに投与を中止すること」も追記する。

 

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出典:薬事日報

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