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「トラクリア」に小児加算5%‐26品目を26日付で薬価収載

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省は2015年11月26日付で新薬19成分・26品目を薬価基準に収載します。肺動脈性肺高血圧症治療薬「トラクリア」には小児加算5%が上乗せされると伝えられています。

厚生労働省は26日付で、新薬19成分26品目を薬価基準に収載する。内訳は、内用薬が9成分14品目、注射薬が7成分9品目、外用薬が3成分3品目。アッヴィのC型肝炎治療配合剤「ヴィキラックス配合錠」は有用性加算が付かず、1錠2万6801円となった。原価計算方式を適用した2成分に営業利益率の上乗せはなかった一方、アクテリオンファーマシューティカルズの肺動脈性肺高血圧症治療薬「トラクリア」には、類似薬効比較方式で小児加算5%を上乗せした。18日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。


 

イフェクサーSRカプセル37.5mg、同75mg(ファイザー):ベンラファキシン塩酸塩を有効成分とする抗うつ薬。塩野義製薬の「サインバルタカプセル20mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。外国平均価格調整により引き下げた。薬価は、37.5mg1カプセルが160.80円、75mg1カプセルが270.70円。予測市場規模は、ピーク時の9年目で患者数63万人、販売額320億円。

 

トラクリア小児用分散錠32mg(アクテリオンファーマシューティカルズジャパン):ボセンタン水和物を有効成分とする肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬。同社の「トラクリア錠62.5mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。同剤は、小児の用法・用量が明示的に含まれていることから、5%の小児加算を適用すると共に、外国平均価格調整により引き上げた。薬価は、32mg1錠が4577円。予測市場規模は、ピーク時の7年目で患者数1000人、販売額25億円。

 

ピートルチュアブル錠250mg、同500mg(キッセイ薬品):スクロオキシ水酸化鉄を有効成分とする高リン血症治療薬。バイエル薬品の「ホスレノールチュアブル錠250mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。外国平均価格調整により引き上げた。薬価は、250mg1錠が214.20円、500mg1錠が314.30円。予測市場規模は、ピーク時の9年目に患者数4万5000人、販売額120億円。

 

ムルプレタ錠3mg(塩野義製薬):ルストロンボパグを有効成分とする血小板減少症治療薬。ノバルティスファーマの「レボレード錠12.5mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。薬価は、3mg1錠が1万6107.60円。予測市場規模は、ピーク時の5年目に患者数5700人、販売額11億円。

 

マリゼブ錠12.5mg、同25mg(MSD):オマリグリプチンを有効成分とする2型糖尿病治療薬。過去6年間の薬理作用類似薬の最低1日薬価を用い、類似薬効比較方式IIで算定した。薬価は、12.5mg1錠が559.20円、25mg1錠が1045.10円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に87万人、販売額372億円。

 

エクメット配合錠LD、同HD(ノバルティスファーマ):有効成分のビルダグリプチンとメトホルミン塩酸塩を配合した2型糖尿病治療用配合剤。同社の「エクア錠50mg」と大日本住友製薬の「メトグルコ錠250mg」を比較薬として、新医療用配合剤の特例を適用。ただ、同LDは、エクア錠50mg単剤の薬価を下回ったため、エクア錠50mgの薬価と同額とした。

 

薬価は、エクメット配合錠LD、同HDともに1錠が87.70円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数63万人、販売額325億円。

 

カプレルサ錠100mg(アストラゼネカ):バンデタニブを有効成分とする甲状腺髄様癌治療薬。エーザイの「レンビマカプセル10mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。外国平均価格調整により引き上げた。薬価は、100mg1錠が7836.40円。予測市場規模は、ピーク時の2年目に患者数53人、販売額1億円。

C型肝炎治療の配合剤

 

ミティキュアダニ舌下錠3300JAU、同10000JAU(鳥居薬品):ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニからの抽出エキスを含有する舌下錠で、アレルギー性鼻炎の減感作療法に用いる。塩野義製薬の「アシテアダニ舌下錠300単位(IR)」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。

 

薬価は、3300JAU1錠が66.40円、10000JAU1錠が201.20円。予測市場規模は、ピーク時の7年目に患者数14万人、販売額50億円。

 

ヴィキラックス配合錠(アッヴィ):有効成分のオムビタスビル水和物、パリタプレビル水和物、リトナビルを配合したジェノタイプ1型のC型慢性肝炎治療配合剤。ブリストル・マイヤーズの「ダクルインザ錠60mg」「スンベプラカプセル100mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。外国平均価格調整により引き上げた。

 

企業側からは、「ハーボニー配合錠」を最類似薬とすることと、有用性加算を希望する不服意見が出されたが、薬価算定組織は「妥当性は十分ではなく、治療方法の改善が客観的に示されているとは考え難い」ことなどを理由に当初案通りの算定とした。薬価は、1錠2万6801.20円。予測市場規模は、ピーク時の2年目に患者数1万4000人、販売額608億円。

 

イーケプラ点滴静注500mg(ユーシービージャパン):レベチラセタムを有効成分とする抗てんかん剤。同社の「イーケプラ錠500mg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。外国平均価格調整により引き上げた。薬価は、500mg5mL1瓶が1978円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で患者数3万1000人、販売額5億5000万円。

 

ライゾデグ配合注ペンフィル、同フレックスタッチ(ノボノルディスクファーマ):有効成分のインスリンデグルデク(遺伝子組み換え)とインスリンアスパルト(遺伝子組み換え)を配合した糖尿病治療用注射剤。新医療用配合剤の特例として、「自社品薬価の合計の0.8倍」により算定。キット特徴部分の原材料費も反映させた。

 

薬価は、300単位1筒が1551円、300単位1キットが2322円。予測市場規模は、ピーク時の3年目に患者数14万人、販売額74億円。

 

リュープリンPRO注射用キット22.5mg(武田薬品):リュープロレリン塩酸塩を有効成分とする抗癌剤。同社の「リュープリンSR注射用キット11.25mg」を比較薬として、規格間調整で算定した。薬価は、22.5mg1筒が10万5039円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数14万人、販売額301億円。

 

コパキソン皮下注20mgシリンジ(武田薬品):グラチラマー酢酸塩を有効成分とする多発性硬化症治療薬。バイオジェン・アイデックの「アボネックス筋注用シリンジ30μg」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定。キット特徴部分の原材料費も反映させた。薬価は、20mg1mL1筒が5617円。予測市場規模は、ピーク時の10年目で2100人、販売額43億円。

原価計算方式は2成分

 

ヨンデリス点滴静注用0.25mg、同1mg(大鵬薬品):トラベクテジンを有効成分とする悪性軟部腫瘍治療薬。原価計算方式で算定し、平均営業利益率を適用。外国平均価格調整により引き上げた。

 

薬価は、0.25mg1瓶が4万9307円、1mg1瓶が19万7698円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数420人、販売額11億円。

 

オクトレオスキャン静注用セット(富士フイルムRIファーマ):ペンテトレオチド、塩化インジウム(111In)を有効成分とする放射性医薬品。神経内分泌腫瘍の診断に用いる。原価計算方式で算定し、平均営業利益率を適用した。薬価は、1セット11万5464円。予測市場規模は、ピーク時の3年目に患者数5000人、販売額5億8000万円。

 

アレルゲンスクラッチエキス陽性対照液「トリイ」ヒスタミン二塩酸塩(日本たばこ産業):ヒスタミン二塩酸塩を有効成分とするアレルゲンを用いた皮膚テストの陽性対照用製剤。同社の「スクラッチダニアレルゲンエキス『トリイ』100000JAU/mL」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。薬価は、2mL1瓶が7966円。予測市場規模は、ピーク時の8年目に6万2000人、販売額1400万円。

 

スピオルトレスピマット28吸入(日本ベーリンガーインゲルハイム):チオトロピウム臭化物水和物とオロダテロール塩酸塩を配合した慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬。グラクソスミスクラインの「アノーロエリプタ7吸入用」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定。キット特徴部分の原材料費も反映させた。薬価は、28吸入1キットが4256.90円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数32万人、販売額217億円。

 

ゼビアックスローション2%(マルホ):オゼノキサシンを有効成分とするキノロン系外用抗菌剤。大塚製薬の「アクアチムローション1%」を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。薬価は、2%1gが82.20円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数86万人、販売額16億円。

 

ロコアテープ(大正製薬):有効成分のエスフルルビプロフェンとハッカ油を配合した経皮吸収型鎮痛消炎剤。エスフルルビプロフェンが既収載品のフルルビプロフェンの活性本体を光学分割したものであることから、トクホンの「ヤクバンテープ40mg」と三笠製薬の「ゼポラステープ40mg」、小堺製薬の「『純生』dl-カンフル」を比較薬として、ラセミ体を光学分割した新薬の特例により算定した。

 

当初案では、フルルビプロフェンを最類似薬として類似薬効比較方式Iで算定し、10%の有用性加算IIを適用していた。

 

ただ、企業側からNSAIDの比較薬をロキソプロフェンにすること、ハッカ油に対応する比較薬を合わせて選ぶことを希望する不服意見が出され、薬価算定組織が再検討した結果、「比較薬をロキソプロフェンとすることは適当でないが、ハッカ油に対応するdl-カンフルを合わせて選定する」と意見を一部取り入れた。

 

これに伴いエスフルルビプロフェンの部分をラセミ体の特例で算定することが妥当と判断。配合剤として評価した場合、単剤に対する優越性は基本的な条件となるため、有用性加算には該当しないとされた。薬価は10cm×14cm1枚が45.90円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数89万人、販売額37億円。

 

表:新医薬品一覧表(2015年11月26日収載予定)

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出典:薬事日報

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