【調査】薬剤師の対応、満足度低く‐リフィル処方箋は8割賛成
日本医療政策機構は18日、2017年の「日本の医療に関する世論調査」結果を公表した。医療機関の患者サービスの満足度について、薬剤師の対応に関する満足度は39.1%と医師や看護師の対応に比べて低いことが判明。また、リフィル処方箋については、国民の8割が賛成していることが明らかになった。同機構は「患者の安全性の確保、薬剤師の役割を明確化した上で、リフィル処方箋の早期実現が期待されているのではないか」と分析している。
調査は、昨年11月に全国20歳以上の男女1000人を対象にインターネット上で行ったもの。医療・医療制度に関する満足度を尋ねたところ、職員の対応など医療機関の患者に対するサービスについて、「大いに満足」「やや満足」を合わせ34.0%となった。
その中で、何に満足しているかを聞くと、医師の対応が70.9%と最も多く、次いで看護師の対応が56.2%、清潔感や案内表示の分かりやすさなど医療機関の設備・環境が45.0%、薬剤師の対応が39.1%と、医療職の対応への満足度が上位を占めたが、薬剤師の対応に関しては、他の医療職の対応に比べて満足度が低いことが明らかになった。
また、リフィル処方箋の導入について賛否を尋ねたところでは、「賛成」「どちらかといえば賛成」を合わせて80.4%が賛意を示した。年代別で見ると、全世代で7割が賛成であり、年齢が高くなるにつれて賛成の割合が高くなっていることが分かった。
スイッチOTCを購入した場合、その費用について所得控除を受けることができるセルフメディケーション税制については、「知らない」「言葉は知っているが意味はよく知らない」を合わせて約9割が知らないと回答。内容までよく知っている国民は約1割にとどまった。
ただ、セルフメディケーション税制の内容を説明した後に、利用してみたいかどうか尋ねたところ、6割以上が利用したいと回答。20代から70代以上の年代別でも各年代で約6割以上が利用したいと考えていることが分かり、同機構は「さらなる積極的な啓発が必要」としている。
さらに、受動喫煙について考えを聞いたところ、「たばこを吸わない人が受動喫煙から守られる環境を整備すべきだ」との回答が68.6%と最も多かったことから、同機構は「受動喫煙対策を早急に推進する必要がある」と提言している。飲食店の広さにより禁煙、一部禁煙、喫煙、一部喫煙と分けることについては「飲食店の広さに関係なく全面禁煙とすべき」との回答が49.9%と約半数を占めた。
現在、健康への影響の情報が少ないため、受動喫煙対策の対象に含まれていない「電気加熱式たばこ」に対する考えも尋ねている。それによると、「健康への影響が明らかになっていなくても、できるだけ早く受動喫煙対策の対象とすべき」との回答が65.7%と最も多く、同機構は「法令や条例も含め、早急に対策を進める必要がある」と電気加熱式たばこ対策を促した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2017年の「日本の医療に関する世論調査」結果(日本医療政策機構)が公開されました。
医療機関の患者サービスの満足度についての調査を見ると、薬剤師の患者さんへのサービスに関する満足度は39.1%でした。医師(70.9%)や看護師(56.2%)の対応に比べて低い数値となりました。
また、リフィル処方箋については、国民の8割が賛成していることが明らかになりました。
スイッチOTCを購入した場合、その費用について所得控除を受けることができるセルフメディケーション税制については9割の人が内容を知らず、内容説明のあとの設問で利用したいかどうか聞いたところ、6割が利用したいと答えました。