医療

アドレナリン濃度違いで注意喚起‐医療安全情報

薬+読 編集部からのコメント

日本医療機能評価機構は、手術中にアドレナリン希釈液を皮下注射する際、医師が意図した濃度とは異なる事例が把握されていると注意喚起しました。同機構は外用目的の院内製剤のラベルには「禁注射」の表示を求めています。

日本医療機能評価機構は、手術時にアドレナリン希釈液を皮下注射するとき、医師が意図した濃度と看護師の準備した濃度が最大で250倍違っていた事例を16日付の「医療安全情報」で報告し、関係者に注意喚起した。

 

手術時にアドレナリン希釈液を皮下注射するとき、医師が意図した濃度と看護師の準備した濃度が違っていた事例は6件が把握されている。

 

具体的には、医師はアドレナリン50万倍希釈液(0・0002%ボスミン)を皮下注射する予定で、手術前に器械出し看護師にボスミン生食を指示した。

 

看護師は院内製剤の0.05%ボスミン液(アドレナリン2000倍希釈)と思い、医師に確認したところ、医師は詳細を確認せずあいまいな返答を行った。看護師は0.05%ボスミン液が外用目的の製剤と知らず、注射器に準備。医師が手術部位に計60mLを皮下注射したところ、頻脈・高血圧が出現し、心室細動となった。医師の意図した濃度より250倍も高濃度だった。

 

こうした事例が発生した医療機関に対し、同機構は手術中にアドレナリン希釈液を使用する場合には、医師と看護師双方で医薬品名のみならず、濃度と用法を確認するよう注意喚起した。

 

また、外用目的の院内製剤のラベルに「禁注射」と表示するよう求めた。

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出典:薬事日報

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