イーケプラに急性腎不全‐添付文書の改訂を指示
厚生労働省は5月31日、ユーシービージャパンの抗てんかん剤「イーケプラ」(一般名:レベチラセタム)に重大な副作用として、急性腎不全関連の副作用が報告されたことなどから、添付文書の「使用上の注意」を改めるよう製造販売業者に指示した。
イーケプラについては、使用上の注意の「重大な副作用」の項に「急性腎不全」を追記し、十分な観察と共に異常時には投与を中止し、適切な処置を行うよう注意喚起した。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の報告によると、直近3年間で集積した急性腎不全に関連する国内症例7件のうち、因果関係が否定できない症例が2件確認されたほか、海外症例が集積して世界各国の添付文書作成時の基準となる企業中核データシートが改訂されたことから、専門家の意見も踏まえた結果、使用上の注意の改訂が適切と判断した。
一方、アレンドロン酸ナトリウムなどビスホスホネート系薬剤について、「重要な基本的注意」に外耳道骨壊死の発現を追記。外耳炎や耳漏、耳痛などの症状が続く場合には耳鼻咽喉科の受診を指導するよう注意喚起した。
また、副作用の「重大な副作用」の項にも外耳道骨壊死を追記し、観察を十分に行うと共に、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うよう促した。欧州でビスホスホネート系薬剤の添付文書に外耳道骨壊死を追記する措置が取られたことから、専門家の意見を踏まえ、使用上の注意の改訂が必要と判断した。
そのほか、精神神経用剤の「ピモジド」については、使用上の注意の「禁忌」の項から「チトクロムP450(CYP3A4)を阻害する薬剤」の文言を削除する改訂を指示した。HIVプロテアーゼ阻害剤やアゾール系抗真菌剤など、具体的な薬剤名だけを記載することで、チトクロムP450(CYP3A4)を阻害する薬剤の全てが禁忌に含まれると誤った解釈がされないよう措置した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2016年5月31日(火)、厚生労働省は抗てんかん剤「イーケプラ」添付文書の「重大な副作用」の項に「急性腎不全」を追記するよう指示しました。直近3年間での国内症例7件のうち、因果関係が否定できない症例が2件確認されるなどしたとのことです。