原薬に無届け中国製混入‐出荷停止の自粛指導
厚生労働省医薬・生活衛生局の伊澤知法監視指導・麻薬対策課長は22日に都内で開かれた厚生科学審議会・医薬品医療機器制度部会で、原薬メーカーの山本化学工業がアセトアミノフェンに無届けの中国製を混ぜて、かさ増ししていた問題への対応を説明した。
混入の事実は、厚労省と和歌山県が5月23、24日に山本化学に査察に入った際に確認したという。査察の際には、精製過程で不純物を取り除いていることも確認した。
その後、国立医薬品食品衛生研究所で、山本化学が製造する全ての原薬を成分分析した結果、「品質上の問題は確認されなかった」ものの、「明らかに違反行為」に該当するため、「あらゆる原薬の出荷を自粛する」よう指導した。
出荷自粛の時期は、「和歌山県が改善したと判断するまで」とした。
ただ、製造メーカーは、原薬メーカーから購入した製品を必ずチェックしてから製造工程に入ることから、「医薬品メーカーを所管する都道府県が確認した上で、既に製品になっているものや、納入されているものについては例外的に使用してもかまわない」とした。
アセトアミノフェンは、一般薬を含めて幅広く使用されおり、「安全上問題がないのに出荷停止とすることは、国民生活に多大な影響を与える」ことが懸念されるため、伊澤課長は、「各都道府県と密接に連携して国民に迷惑がかからないよう万全の態勢で取り組みたい」と語った。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
原薬メーカーの山本化学工業がアセトアミノフェンに無届けの中国製を混ぜて、かさ増ししていた問題で、厚生労働省医薬・生活衛生局の伊澤知法監視指導・麻薬対策課長は「あらゆる原薬の出荷を自粛する」よう指導したことを説明しました。
出荷自粛の時期は、「和歌山県が改善したと判断するまで」です。