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後発品の普及促進不十分‐道厚生局に改善通知

薬+読 編集部からのコメント

総務省・北海道管区行政評価局は後発品の使用割合が低い道内の市町村や病院に対し、助言や指導を徹底するよう、北海道厚生局に通知しました。道内に15ある国立医療機関の後発品使用状況は、最高で76.5%、最低では18.9%と57.6%もの開きがあり、各医療機関の取り組みが大きく異なっていたということです。

道内で地域差、住民から苦情

 

総務省の北海道管区行政評価局は、道内で後発品の使用割合が低い市町村があったり、使用に消極的な病院があるなど、後発品の普及促進策が不十分として、助言や指導を徹底するよう必要な改善措置を北海道厚生局に通知した。地域によって後発品の使用が不十分なため、住民から薬代が高く困っていると苦情が寄せられたことから、後発品の普及状況や医療機関への指導状況を調査した結果、普及促進の取り組みに改善の余地があると判断した。同省が後発品をテーマに行った調査としては全国初。


 

調査は、昨年12月から今年6月まで、北海道厚生局や道内市町村、医療機関、薬局、関係団体等を対象に実施されたもの。政府が後発品の数量シェア目標を2017年度中に70%、18年度から20年度までの間に80%以上とする目標を設定している中、道内の住民から後発品の使用に消極的な病院があり、薬代が高くて困っていると苦情が寄せられたため、患者の医療費負担の軽減などに後発品の普及促進が寄与しているか調査し、評価を行った。

 

その結果、市町村における普及状況を見ると、国民健康保険の保険者ごとの後発品使用割合は、全道平均で63.9%、最高が砂川市、上砂川町の82.0%、最低が中頓別町の37.1%と、最高と最低で約45ポイントの差が見られ、地域によって後発品が十分普及していない状況が明らかになった。政府目標の17年度にシェア70%を超える国保保険者が37保険者ある一方、50%未満も8保険者あり、道内の後発品普及状況には地域差が見られた。

 

医療関係者が組合員である道内3国保組合の使用割合は、道歯科医師国保が55.2%、道薬剤師国保が53.6%といずれも全道平均よりも低く、特に道医師国保は41.5%と50%を下回った。ところが、後発品の使用割合が低調な市町村国保への助言が行われておらず、差額通知を実施していない市町村への助言も徹底されていなかった。

 

これらの状況を受け、同省行政評価局は、北海道厚生局に対して、道内の国保保険者の後発品の使用割合を把握し、それを定期的に保険者に示すと共に、使用割合が低調な市町村に必要な助言を実施するよう改善を求めた。

 

また、道内15国立医療機関の後発品の使用状況を調べたところ、昨年3月末現在で最も高かったのが釧路労災病院の76.5%、最も低かったのが地域医療機能推進機構(JCHO)登別病院で18.9%と、両病院の使用割合の差は57.6%ポイントの開きとなっており、各医療機関の取り組みが大きく異なっていた。

 

この要因について、「後発品の使用割合が低調な病院に対し、北海道厚生局が適時調査や個別指導において、使用促進に関する規定を遵守しているかどうか聴取しておらず、その原因を確認していない」と指摘。規定の遵守状況について指導を行った実績は、13年度に旭川医科大学病院に個別指導した1件のみであることから、適時調査や個別指導時には規定の遵守状況を確認するよう北海道厚生局に改善を求めた。

 

さらに道内の国公立医療機関8機関について、規定を遵守しているかどうか実地調査をした結果、国保月形町立病院は、町唯一の医療機関であるにもかかわらず、後発品の使用に消極的なため、町民が後発品を使うことが困難である問題が浮上。KKR札幌医療センターは、保険薬局で先発品から後発品への変更を病院として認めていないため、先発品を処方された患者は薬局で後発品に変更できない問題にあった。

 

こうした問題点に対し、個別指導等で後発品の使用促進規定の遵守状況を確認しても使用割合が低調な場合、その原因を把握し、必要に応じて指導するよう改善を求めた。

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出典:薬事日報

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