新機序の高脂血症薬が登場‐新薬3品目の承認了承
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は11月27日、アステラス・アムジェン・バイオファーマの新規作用機序の高コレステロール血症治療薬「レパーサ」など3件を審議し、承認を了承した。
審議品目
▽レパーサ皮下注140mgシリンジ、同皮下注140mgペン(アステラス・アムジェン・バイオファーマ):新有効成分のエボロクマブ(遺伝子組み換え)を含有し、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害薬で効果不十分な場合の家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症を効能・効果とする。
同剤は、プロ蛋白質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型に対する遺伝子組み換えヒト型IgG2モノクローナル抗体。血中のLDLコレステロールの取り込み抑制に関与するPCSK9に結合することにより、LDL受容体との結合を阻害し、LDL受容体の肝細胞内における分解を阻害することで循環血中のLDL-C値を減少させる。国内で同様の作用機序を持つ薬剤はない。
再審査期間は8年。海外では欧州で今年7月、米国では今年8月に承認されている。
▽ボンビバ錠100mg(中外製薬):有効成分のイバンドロン酸ナトリウム水和物を含有し、骨粗鬆症を効能・効果とする。
2013年に月1回投与の注射剤が承認されているが、今回、新たに月1回投与の経口剤を追加した。同剤は、起床時に十分量(約180mL)の水と共に経口投与し、服用後は少なくとも60分は横にならず、飲食や他剤の経口摂取を避ける必要がある。再審査期間は6年。海外では110カ国以上で承認されている。
▽エリキュース錠2.5mg、同錠5mg(ブリストル・マイヤーズ):有効成分のアピキサバンを含有し、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制の効能・効果を追加する。
同剤は、血液凝固に関与する活性型血液凝固第X因子を選択的に阻害することにより血栓形成を抑制する。類薬にリクシアナ錠とイグザレルト錠がある。
再審査期間は残余の20年12月24日まで。海外では90カ国以上で承認されている。
報告品目
▽スイニー錠100mg(三和化学研究所):有効成分のアナグリプチンを含有し、2型糖尿病を効能・効果とする。
これまで同剤は、併用できる糖尿病薬が制限されていたが、全ての糖尿病薬との併用を可能にする。再審査期間は残余期間の20年9月27日まで。
▽エフピーOD錠2.5(エフピー):有効成分のセレギリン塩酸塩を含有する新効能・新用量医薬品。単剤での使用を可能にするパーキンソン病治療薬。これまで、レボドパ含有製剤の併用が必要だったが、「Yahr重症度ステージI~III」において単剤での使用を可能にする。再審査期間はなし。
▽キシロカイン注ポリアンプ0.5%(アストラゼネカ)、リドカイン塩酸塩注射液0.5%「ファイザー」(マイラン製薬):有効成分のリドカイン塩酸塩水和物、リドカイン塩酸塩を含有し、上肢手術における静脈内区域麻酔の効能・効果を追加する。
厚労省の未承認薬等検討会議での検討品目。同部会の事前評価を終えた時点で保険適用されている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は新規作用機序の高コレステロール血症治療薬「レパーサ」を含む3件を審議し、承認を了承しました。報告品目も3件です。