創薬・臨床試験

業務停止解除‐アステラスに事業譲渡へ

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省の110日間業務停止命令が解除された化学及血清療法研究所(化血研)。今後、ワクチン・血漿分画製剤事業についてはアステラス製薬への譲渡を視野に交渉する予定とのことです。

6月上旬にも震災復旧策

 

化学及血清療法研究所(化血研)は6日、承認書と異なる製造方法で血漿分画製剤を製造し、組織ぐるみで隠ぺいしていた問題に対し、厚生労働省から命令されていた110日間の業務停止が解除されたことを受け、今後の運営体制等の方針を明らかにした。ワクチン・血漿分画製剤事業については、熊本地震で製品の生産がストップした製造体制の復旧を急ぎ、6月上旬に復旧プログラムをまとめ、アステラス製薬への譲渡を視野に交渉を進めていく予定である。また、宮本誠二理事長以下、全理事の退任と新理事による新体制を構築していく方針を打ち出し、今後、化血研は本社所在地である熊本地震からの復旧を優先しつつ、事業譲渡に向けた交渉と組織改革を進めていく考えだ。


 

注目されているワクチン事業および血漿分画製剤事業の譲渡について、化血研は、ガバナンス体制や品質保証体制の改革が可能であることや、引き続き熊本で研究開発ができることなどの条件を満たす製薬企業と交渉していく考えを示しており、現在はアステラス製薬への譲渡を視野に交渉を進めている。熊本地震で生産体制がストップする被害を受けたことから、早期に製品の生産体制の復旧を図り、6月上旬をメドに震災復旧プログラムをまとめる予定。復旧状況を踏まえた上で、譲渡合意を目指すとしている。

 

また、組織改革については、第三者機関を利用した再発防止策の策定および定期的モニタリングの実施、製造および品質検査の現場における品質保証担当者の常駐や抜き打ち監査の実施など、信頼性保証・品質保証体制の抜本的な見直しを進めるとした。さらに、宮本理事長以下、現理事は6月下旬で退任し、新体制のもとで組織改革を進めるほか、評議員会の監視機能を強化することなどの改革案も示した。

 

化血研をめぐっては、昨年6月に国の承認と異なる方法で40年以上にわたって血漿分画製剤を製造していたことが発覚。当局による検査時に虚偽の申告をするなど、組織ぐるみの隠ぺい工作が行われていたことなどを重く見た厚労省が1月8日、過去最長となる110日間の業務停止命令を出していたが、6日に命令が解除されたことから、今後の方針に注目が集まっていた。

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出典:薬事日報

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