正規ルートでの購入を徹底‐偽造薬問題でコメント 中村NPhA会長
日本保険薬局協会(NPhA)の中村勝会長は19日の定例会見で、C型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が奈良県内の薬局チェーンで発覚した問題について言及した。中村氏は、「医療用医薬品で偽造品の出現は、日本ではほとんど起きていなかった。理由はともかく、事実としてこのような事例が出てきたことに対し、NPhAでも大変危惧している。あってはならないことが起こった」とし、「われわれとしては会員に対し、なお一層、流通、特に仕入れに関しては慎重に行うようにと再度徹底した」と語った。
中村氏は今回の問題について、「現段階では正確で詳細な情報が入ってきているわけではないが、正規のルート以外から入手したものであるということは聞いている」とし、「非常に限定された悪意に満ちた行動の中で起こったことだと捉えている」とした。
その上で、「買う側のわれわれも論理としては、正規のきちんとした製造から流通、医療機関、そして患者さんへの投薬という一元の管理を立派に証明できるようなルートで仕入れることが今後もなお一層必要だ。われわれとしても徹底していきたい」と述べた。
南野利久副会長は今回の問題に関して、「普通ではあり得ないこと」と指摘。「医薬品を購入してそれが偽物だった場合、それは被害者だと思う。だた、購入経路等を鑑みて、われわれも騙されないような努力を怠ってはいけない」との考えを示した。
また会見の中で中村氏は、薬価の毎年改定についても触れた。「薬価の毎年改定の詳細がまだ決定したわけではなないが、その詰めの作業が今春ごろから行われると思っている」との認識を提示。「薬価の問題に加え、次回改定は医療と介護の同時改定という大改定となり、診療報酬改定の議論もまもなく始まる」とし、「そうした中でNPhAとしては、特に調剤報酬に対する考え方を従来よりも少し早く検討し、われわれの意見をまとめ、あるいはアンケートを行うなどしてエビデンスを付けて、今後の活動をしていきたいと考えている。従来より、2ポイントくらい早い活動を始めたいと考えている」と述べた。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2017年1月19日(木)、日本保険薬局協会(NPhA)の中村勝会長はC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が奈良県内の薬局チェーンで発見された問題についてコメントしました。「NPhAでも大変危惧している。あってはならないことが起こった」とし、「一元の管理を立派に証明できるようなルートで仕入れることが今後もなお一層必要だ」と話しています。