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薬局の外国人患者対応、多くの薬剤師が不安持つ‐RAD-AR調査

薬+読 編集部からのコメント

今後も増加していくことが予想される外国人患者の数。外国語対応ができるスタッフの少なさもさることながら、英語の医薬品情報が不足しているというシビアな現状がみえてきました。

くすりの適正使用協議会(RAD-AR)は、全国の調剤薬局に勤務し、外国人患者に対応したことのある薬剤師を対象に、外国人患者への対応状況を調査した。その結果、月に1回以上の対応を経験している薬剤師が5割と多くいるが、その対応に不安を持ち、十分にコミュケーションができていないと感じる割合が高く、また、対応時に参考となる英語の医薬品情報が不足していることが分かった。


調査は、10月14~17日に実施、408人の薬剤師から回答があった。
外国人患者の対応頻度は、月10回以上が9%、6~9回が8%、3~5回が15%、1~2回が21%で、月1回以上が54%、3回以上が32%だった。外国人患者の国籍は中国が最多で、米国・欧州圏・フィリピン・インドなど、英語でコミュニケーションがとれる国が多かった。
薬局に外国語対応ができるスタッフが「いない」とした薬剤師は78%に上り、外国人への対応に不安を感じているのも88%と高かった。日本人患者と比較した場合、外国人とコミュニケ ーションができていないと感じているのは66%で、薬服用時に副作用等の不安や悩みがないか確認できていない薬剤師が63%いた。
英語版医薬品情報を必要とする薬剤師は94%とほとんどだが、参考とする情報がないとしたのは93%にも上った。参考にしている英語版医薬品情報があるとした28人のうち、英語版「くすりのしおり」を活用していたのは36%で、同しおりが役立つと思っている薬剤師は95%だった。
今回の調査は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、多くの外国人観光客が来日することが予想されること、国が医療通訳の拠点病院をはじめとした体制整備を急いでいることなどを受け、薬局の実態を把握するために行った。調査結果を受けRAD‐ARは、外国人患者の指導が十分にできる環境にはなく、早急に英語版医薬品情報の整備が必要としている。
「くすりのしおり」は、個々の医療用医薬品の最低限必要な情報を患者に分かりやすい表現でまとめた説明書。11月末現在で日本語版1万4047種類、英語版3919種類(順次追加中)を掲載している。RAD‐ARの啓発活動ツールの一つ。

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出典:薬事日報

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