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開けにくいCR容器導入を‐子供の薬誤飲で厚労相に意見

薬+読 編集部からのコメント

消費者庁の消費者安全調査委員会は子どもの医薬品誤飲を防ぐため、開封しにくいチャイルドレジスタンス(CR)容器の導入を検討するよう塩崎恭久厚生労働相に意見書を提出しました。誤飲について保護者へも周知できるよう、医療関係者へも注意喚起を促しています。

消費者庁の消費者安全調査委員会は18日、子供による医薬品の誤飲を防止するため、開封しにくいチャイルドレジスタンス(CR)容器の導入を検討するよう塩崎恭久厚生労働相に意見書を提出した。消費者へのリスクの周知を通じて、家庭での適切な管理を促すことが効果的と提言。重い中毒症状を呈するリスクの高い医薬品を中心に、子供の誤飲について保護者に伝わるよう医療関係者への注意喚起も促した。

 

厚労省の「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」で2013年度に小児の医薬品の誤飲事故は96件と、たばこの94件を抜いて初めて1位となるなど、子供による医薬品の誤飲事故は増加傾向にあることが明らかになっている。

 

同委員会は昨年も、誤飲事故発生の要因を分析し、経過報告を行っている。ただ、注意喚起のみでは子供の誤飲を防止できないと判断。さらにCR容器による対策の検討を実施した。PTPシートの開封試験の結果、子供には開封しにくく、高齢者に使用困難でないことを両立させたPTPを実現できる可能性があるとし、コストの課題に対しては、一律に全ての医薬品にCR容器を導入するのではなく、重い中毒症状を呈するリスクが高い医薬品に限定する案が示された。

 

また、子供の医薬品の誤飲事故については、子供の手が届かない保管場所や目に触れないはずの保管場所から取り出し、誤飲する事故も発生しているなどと指摘。保護者に医薬品の誤飲事故が十分に認知されていないことや、子供が容易に包装容器を開封できることが事故発生の要因になっているとの考えを示した。

 

これらを踏まえて同委員会は、子供による医薬品の誤飲を防ぐためには、子供が開封しにくいCR容器の導入と、消費者へのリスクの周知を通じて家庭での適切な管理を促すことが効果的とし、塩崎厚労相に対し、CR容器の導入や医療関係者を通じたリスクの周知を提言した。

 

CR容器の標準化をはじめとする導入策を検討するよう促し、対象とする医薬品の範囲、CR容器に対する消費者の理解醸成や補助具の利用促進といった補完策も含め、具体的な方策を医療関係者、服用者、専門家で十分に議論して進めていくことを求めた。

 

また、子供が誤飲して重い中毒症状を呈するリスクが高い医薬品を中心に、医薬品を処方する医療機関、調剤する薬局などの医療関係者に対し、子供の誤飲について保護者に伝わるよう地方公共団体や関係団体を通じて、継続的に注意喚起を行うよう意見した。

 

これを受け、厚労省は18日付で、子供による医薬品誤飲事故の防止対策の徹底を薬局などに求める通知を都道府県等の担当者に発出し、改めて周知徹底を図った。

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出典:薬事日報

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