エカベトNa顆粒を自主回収~アセタゾラミドが混入
沢井製薬は4日、胃炎・胃潰瘍治療剤「エカベトNa顆粒66.7%『サワイ』」の使用中止と自主回収を開始すると発表した。同製品を服用していた競技者にドーピング禁止薬物「アセタゾラミド」が検出され、ドーピング違反と認定されたことから、同剤へのアセタゾラミドの混入が発覚した。同社では原薬メーカーの製造段階で混入した疑いがあるとし、現在調査中。有効性・安全性に影響はないとしているが、今後、医療機関や患者に対し、調査結果が判明するまで同製品の使用中止を呼びかける。
アセタゾラミドは1958年8月に販売開始された薬剤で、現在も緑内障など多様な疾患に使用されている。1日に厚生労働省から同社にエカベトNa顆粒について、ドーピング禁止薬物であるアセタゾラミドが検出されているとの連絡があり、4日に市場で流通されている全ロットを自主回収し、同剤の使用を中止する情報提供を開始した。
同社ではアセタゾラミドの取り扱いがなく、エカベトNa顆粒の外部委託先である原薬メーカーの製造段階で混入している可能性があるとし、調査を行っている。ごく微量の混入であるため、製品の有効性・安全性に影響を与えるものではなく、健康被害を及ぼすものではないとしている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
昨年6月、レスリングの全日本選抜選手権で準優勝した阪部創選手(自衛隊=グレコ77kg級)が、医師の処方で服用していた胃炎・胃潰瘍治療剤「エカベトNa顆粒」が原因でドーピング違反→暫定資格停止処分(2月22日付で処分取り消し)となった件で、製造元の沢井製薬は同薬の使用中止と自主回収を発表しました。同薬はドーピング禁止薬物の「アセタゾラミド」の混入が発覚。「アセタゾラミド」は筋肉増強剤の使用を隠す目的での使用が多発しているため、禁止物質に指定されています。