新機序の緑内障治療薬エイベリスの適正使用を喚起、禁忌症例への投与相次ぐ~参天製薬
参天製薬はこのほど、昨年11月発売の緑内障・高眼圧症治療薬「エイベリス点眼液」(一般名:オミデネパグ イソプロピル)について、禁忌である眼内レンズ挿入眼の患者に投与され黄斑浮腫を生じた症例の報告が相次いでいるとして、医療従事者に対し注意喚起した。患者が「無水晶体眼または眼内レンズ挿入眼」に該当しないことを確認するよう求めている。医薬品医療機器総合機構(PMDA)も26日に周知した。
同薬は、世界初の選択的EP2受容体作動薬。EP2受容体を刺激することで眼圧降下作用を示すという新機序を持つ。国内で実施された同薬の臨床試験では、黄斑浮腫の発現が高頻度に認められたことから、無水晶体眼と眼内レンズ挿入眼への投与が禁忌に設定された。
しかし、同社によると、2018年11月27日~19年5月26日の市販後調査期間中(推定使用患者数:延べ7万人)、禁忌症例への投与が57例確認された。囊胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫は23例報告され、うち眼内レンズ挿入眼の患者は10例だった。
同社の「適正使用のお願い」では、処方前に①眼科検査を実施し、患者が無水晶体眼または眼内レンズ挿入眼でないことを確認する、②カルテや問診等で白内障の手術歴がないことを確認する―の徹底を依頼している。
出典:Web医事新報
薬+読 編集部からのコメント
昨年11月に発売された緑内障・高眼圧症治療薬「エイベリス点眼液」(一般名=オミデネパグイソプロピル)をめぐり、禁忌症例へ投与し黄斑浮腫を生じた症例が相次いでいることから販売元の参天製薬は適正使用を求め注意喚起しています。患者さんが「無水晶体眼または眼内レンズ挿入眼」に該当しないこと、白内障の手術歴がないことを処方前に確認することの周知徹底が求められます。